インドのタタ・グループ名誉会長ラタン・タタが、自身の死後、愛犬に約1000億ウォン(約111億円)以上の遺産を残すことが明らかになった。
英デイリー・メールによると、タタ会長は遺言で資産のうち9100万ポンド(約181億円)の半分以上をジャーマン・シェパードの愛犬「ティト」に相続させると記したという。
インドの地元メディアでは、そのうち約1000億ウォン(約111億円)がティトに割り当てられたと推定されている。
タタ会長は愛犬ティトだけでなく、執事兼秘書と料理人にも遺産の多くを残しており、特に秘書と料理人にはティトの世話を任せることを条件にしている。一方、兄弟らには遺産のごく一部のみを残すことになった。
メディアによれば、インドでは家族以外のペットや使用人に巨額の遺産を相続させるのは珍しく、富が家族内に留まることが一般的だ。
タタ会長の親友は地元メディアに「彼をよく知る者にとって、この遺産相続は驚くことではない。この遺言は富を示すものではなく、愛犬や親しいスタッフへの感謝の表現にすぎない」とコメントしている。
1937年生まれのタタ会長は、タタ・グループ創業者ジャムシェトジー・タタの曾孫にあたり、米国コーネル大学で建築を学び、ハーバード大学で経営学を修めた。タタ・グループの経営に参画後、ジャガーやランドローバーなどを買収し、タタをインド国内外の大企業に成長させた。2024年のタタ・グループ第1四半期の売上高は1650億ドル(約25兆円)に達している。
独身で質素な生活を送ったタタ会長は2012年に一族外のミストリー・グループのサイラス・ミストリーに会長職を譲った。しかし引退後、ミストリー家との経営権争いが激化し、2016年にはミストリー会長が解任され、タタ会長が一時的に復帰する事態となった。現在は同社元インターン出身のナタラジャン・チャンドラセカランがタタ・グループのトップを務めている。