北朝鮮、脱北阻止のためロシアに処刑部隊を派兵か
北朝鮮がロシアに派兵した軍部隊に、脱走を企てた兵士を現場で射殺する「処刑部隊」を同行させているとの指摘が浮上した。
28日、YTN「ニュースPLUS」に出演した韓国軍事研究院の安全保障戦略室長のキム・ヨルス氏が明らかにした。
キム室長によると、ロシアのウクライナ侵攻支援のため北朝鮮が派兵した特殊部隊の一部が「処刑部隊」として監視任務を遂行しているという。脱走を図る兵士を即座に処刑する任務を帯びた部隊の存在が指摘されている。
さらにキム室長は、「北朝鮮軍30人に対して通訳1人、ロシア軍3人が配置されている」と説明した。
ロシア軍3人の配置について、キム室長は脱北監視が目的ではないと分析。一方で、脱北防止のため北朝鮮が独自に「処刑部隊」を派兵したとの見方を示した。
北朝鮮軍の脱走可能性が高い…国家情報院「派兵部隊、意思疎通に苦慮」
キム室長は「30人という規模は小隊レベルであり、移動には通訳が不可欠だ」と指摘した。
また「この30人は、ロシアやウクライナの地形に不慣れで、共同訓練の経験もない。山岳戦には長けているが、平野や塹壕での戦闘経験に乏しい」と述べた。
そのうえで「ロシア軍3人が小隊に戦闘技術を指導することになる」とし、「その過程で意思疎通の困難が頻発するだろう」と分析した。
処刑部隊については、脱北の兆候を示す兵士の阻止に当たるとの見方を示した。
キム室長は「北朝鮮軍の最前線配備の可能性が極めて高い。その場合、犠牲者の増加により心理的動揺が生じ、ウクライナ側への投降も十分あり得る」との見解を示した。
これに関連して29日、韓国国家情報院は、ロシアに派兵された部隊の一部が高級将校を含め前線に移動した可能性があると分析している。
また「ロシア軍が北朝鮮軍に100以上の軍事用語を教育しているものの、北朝鮮軍は理解に苦慮しているとの情報もある」とし、「意思疎通の問題解決は不透明との見方が強い」と伝えた。