アメリカの大統領選挙日が近づく中、世論調査によれば、共和党候補であるドナルド・トランプ前大統領に有利な様子がうかがえる。
アメリカの政治専門メディア「ザ・ヒル」は、最近のオピニオン面で世論調査を分析した結果、トランプ候補が民主党のカマラ・ハリス副大統領より当選可能性が高いと報じた。
多くの世論調査では、両候補の支持率はほぼ同率の状態にあるが、ここ数週間でトランプ前大統領が優位に立ち、8月にハリス副大統領が候補として発表されて以来、トランプ前大統領が最も有利な状況にあるとされている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)やCNBC、フォーブスとハリスXの最新の世論調査では、トランプ前大統領が2〜3ポイント差で優勢で、ニューヨーク・タイムズとシエナ大学の共同調査では48%で同率となった。
ほとんどの結果は誤差範囲内であるものの、9月初め以降にトランプ前大統領がWSJの世論調査で4ポイント上昇したことは、誤差範囲を超えた実質的な動きであると分析されている。
ニューヨーク・タイムズの調査よると、ハリス副大統領は接戦州であるミシガン、ネバダ、ペンシルベニア、ウィスコンシンでわずかにリードしている一方、リアルクリアポリティクスでは7つの州でトランプ前大統領が支持率で上回っている。
接戦州の中で最も重要なペンシルベニア州では、ファイブサーティエイト(538)の調査でトランプ前大統領が最近ハリス副大統領を追い越した。
この結果は、選挙の予測者で知られるネイト・シルバーの分析とも一致している。
シルバーは、ミシガン州とウィスコンシン州でも先月からトランプ前大統領が優位を示し始めたと述べた。
ザ・ヒルは4年前とは異なり、今回の選挙では共和党支持者が早期投票に積極的に参加している点が特徴であると報じた。
フロリダ大学が25の州での有権者登録を分析した結果、早期投票者の41%が民主党支持者で、36%が共和党支持者だったが、4年前と比べて差は大きく縮まっている。
ハリス副大統領は有色人種の有権者の間で支持率が明らかに減少している。
CNBCの最新調査では、ハリス副大統領の8月以降の優位が27ポイントから10ポイント減少した。
ニューヨーク・タイムズとシエナ大学の調査では、ラテン系男性からの支持率はトランプ前大統領に対してわずか3ポイント高い48%にとどまった。
ラテン系人口が多いアリゾナ州とネバダ州では、ハリス副大統領の支持率は4年前のジョー・バイデン大統領の24〜26%を下回り、トランプ前大統領がこの2州で勝利できる可能性があるとザ・ヒルは分析している。
ハリス副大統領は黒人有権者の間でも4年前のバイデン大統領の支持率には及んでいない。
黒人全体の支持率は4年前のバイデン大統領に比べて11ポイント低い81%、黒人男性からの支持率は17ポイント低い70%に大きく減少した。
ジョージア州とミシガン州でも、黒人からの支持率はそれぞれ13ポイント、15ポイント減少している。
今回の大統領選挙では、経済と移民問題が有権者の主要関心事とされており、ここでトランプ前大統領が優位に立っている。
CNBCの世論調査では、トランプ前大統領が移民問題とインフレを最も重要な課題と捉える有権者に対して、それぞれ35ポイント、13ポイントの優位を示している。
先週、CNNが主催した公聴会で、ハリス副大統領が不法移民問題への迅速な対処に関する質問を受けた際に適切に答えられなかったことも、この問題でさらに苦戦している印象を強めた。
民主党の戦略家であるデイヴィッド・アクセルロッドは、ハリス副大統領の不明確な発言を「言葉のサラダ」と批判している。
ザ・ヒルは、今回の大統領選挙がこれまで以上に激しいものになると予想しているが、トランプ前大統領の立場が数週間前に比べて明らかに有利になっていると伝えた。