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2024年11月22日金曜日
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豪雨により死者95人…わずか8時間で「一年分の降水量」に達する

スペインの一部地域にて豪雨が続き、わずか8時間で一年分の降水量に達したとし、95人もの死者が発生したことが明らかになった。

ロイター通信によると、29日(現地時間)スペインのバレンシア州東部地域で異例の豪雨が降り続き、洪水が発生したことにより最低95人が死亡したという。これは1996年のピレネー地方で86人の死者を出した洪水以来、スペイン史上最多の犠牲者を出した水害となった。

トゥリス、チバ、ブニョールなどバレンシアの一部地域では400mm以上の降水量を記録したとし、この地域の10月の平均降水量の4倍に相当する量だという。昨年1年間でスペイン全土には平均536.6mmの雨が降ったとされており、この昨年の降水量を基準とした場合、約1年分の雨が1日で降ったということとなる。

対処しきれないレベルの豪雨により、都市では多くの人の命が失われた。95人という死者は、現時点で確認されている人数に過ぎない。マルガリータ・ロブレス国防大臣は、現地の番組を通じて「捜索犬を動員し、軍部隊も泥や瓦礫の中を捜索中である」と述べ、犠牲者がさらに増える可能性については「楽観視することはできない」と答えた。

住民たちは「道路は黄土色の水で溢れ返り、木々は根こそぎ引き抜かれている。また、建物からは石の破片が落下していた。多くの人々が避難するために車の上に乗っていた」、「ガソリンスタンドの手すりにしがみつき救助を待った。ドアが壊れ、辺りは2m高さの水たまりとなっていた」と恐怖に震えながら語った。

豪雨により、都市の至る所が対処できないほどに崩壊してしまった。救急隊がヘリコプターに乗り撮影した映像には、バレンシア郊外の橋は崩壊しており、水流に流されたと思われる車やトラックが木々に衝突したまま散乱している様子が収められていた。

また、スペイン最大の電力会社イベルドローラが所有する電力会社i-DEは「バレンシアの住民約15万人が洪水により停電被害に遭った」と発表した。

さらに、バレンシアは、スペイン産の柑橘類の3分の2が生産されている地域である。今回の豪雨により、農地のほとんどが浸水被害に遭ったため、スペインの大手農業団体アサハ(ASAJA)は「農作物に甚大な被害が予想される」と明らかにした。

気象学者らは、今回の豪雨がこの時期に主に見られる気象現象である「ゴタ・フリア」(gota fria・冷たい滴)と関連している可能性があると指摘している。

イベリア半島で発生した冷たい空気が地中海の暖かい海水の上へと流れ込み、強力な雨雲を形成することで豪雨が発生したとされている。

また、専門家は気候変動によって極端な気象現象が現れていると口を揃えた。地中海の水温上昇により蒸発量が増加し、これにより豪雨をさらに激化させた。

スペインの気象学者エルネスト・ロドリゲス・カミーノさんは「この種の災害は数十年ごとに発生していたが、最近ではより頻繁に、また破壊力も増している」と懸念を示した。

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