20代の男性が、女性2名を相次いで性的暴行し、懲役30年の判決を受けたことが明らかになった。
30日、韓国の全州（チョンジュ）地方裁判所刑事11部（キム・サンゴン部長判事）は性暴力犯罪の処罰等に関する特例法違反（強姦等殺人）などの容疑で起訴された被告人A（28）に対し、懲役30年の判決を言い渡した。
また、児童・青少年関連機関と障害者福祉施設への10年間の就職制限、10年間の身元情報公開、25年間の位置追跡電子装置（電子足輪）装着も命じた。
被告人Aは昨年4月10日午前4時頃、全州市徳津郡金岩洞（オンジン郡クマム洞）にある某商業施設の駐車場で20代の女性B氏を暴行し、性交類似行為を行った容疑を受けている。調査の結果、被告人Aはこの事件の30分前にも別の20代の女性を暴行していたことが明らかになった。
被害者B氏が発見された時、B氏は倒れたまま頭部から血を流し、意識不明の状態で、衣類が脱がされていたという。幸いにも命に別状はなかったと伝えられている。
事件発生直後に出動した警察は、周辺の防犯カメラを分析して容疑者を特定し、同日午後8時30分頃に全州市の完山区（ウンサン区）で被告人Aを緊急逮捕した。
Aは警察の取り調べで「性的犯罪を犯すことが目的であって、殺害するつもりはなかった」と供述したが、裁判所はこれを殺人に準ずる行為とみなした。
裁判所は「低い気温の中、冷たいコンクリートの上に長時間放置された状態であった女性被害者は死亡する可能性も高かった」とし「被告人は適切な救護措置を講じなかっただけでなく、犯行の痕跡を隠すために着用していた衣類を廃棄した」と指摘した。
調査の結果、Aは2015年5月にもバス停に一人でいた被害者を襲うなど、複数の犯罪歴があることが分かった。当時、高校生であったAは懲役7年の判決を受け、2022年に出所していたことが確認されたという。
裁判所は「被告人は過去に類似の犯罪で何度も刑事処罰を受けたにもかかわらず、再犯を繰り返した。被害者らは厳罰を望んでおり、被害回復のための努力も見られない点などを考慮した場合、厳罰という判決はやむを得ない」と量刑理由を説明した。
また、被告人Aは身元情報登録対象者であったが、電子足輪は未装着状態だったことが判明した。