パレスチナ自治区ガザ地区で空爆された遺体を搬送していた救急隊員は、遺体が自身の母親であることに死亡確認時に気づき、慟哭した。
先月31日(現地時間)「AP通信」の報道によると、前日、ガザ地区で救急隊員として活動するブルディニはイスラエル軍の空爆を受けたガザ地区中部に出動し、空爆された車両付近で亡くなった遺体を同僚とともに搬送した。
ブルディニは白い布で覆われた血まみれの遺体を救急車に乗せ、約2キロ離れたアクサ殉教者病院へ向かった。
しかし、病院到着後、医師が死亡確認をした際、かぶっていた白い布をはずした女性の顔を見て、彼は衝撃に押しつぶされそうになった。
搬送した遺体のうち1体はなんとブルディニの母親だったのだ。
彼は病院内を担架で運ばれる遺体の傍らで「母さん、あなただとなぜわからなかったんだ」と嗚咽し、泣き叫んだ。
同僚が慰めようと近づくのもはねのけ、母親の遺体を抱きしめるようにしがみつき、涙を流した。
ブルディニの母親は30日、マガジ難民キャンプ付近でのイスラエル軍による車両攻撃の際に死亡したとみられている。
この攻撃では3人が死亡し、少なくとも10人が負傷したと伝えられている。
彼女は車両の近くにいたところ、空爆により致命傷を負い、即死だった。
イスラエル軍のスポークスマンはこの空爆について言及を避けた。
イスラエル軍は一貫して「ハマス」を標的とした精密な攻撃を実施しており、民間人への被害を最小限に抑えるよう努めていると主張しているが、イスラエル軍の空爆により、女性や子供を含む民間人が犠牲となる事例が後を絶たない。
パレスチナ保健当局によると、イスラエルの攻撃によりすでに4万3,000人以上のパレスチナ人が死亡し、その半数以上が女性と子供だという。