中国が1週間後に開催される珠海航空ショーで、2機目となるステルス戦闘機J-35を公開する見通しとなった。米国との覇権争いが激化する中、中国は軍事分野でも一歩も引かない姿勢を見せている。
4日、中国の国営英字紙「環球時報(グローバルタイムズ)」によると、中国人民解放軍(PLA)ニュースメディアセンターの公式SNSアカウントが1枚の写真を投稿。中国が長年開発を進めてきたJ-35ステルス戦闘機が「中国国際航空宇宙博覧会(珠海航空ショー)」でお披露目される可能性を示唆した。
PLAニュースメディアセンターの公式アカウントは月曜日、「超スクープ!J-35が正式発表された?」という見出しとともに、「75」という数字が記された航空機の垂直尾翼の写真を公開。「これが新型機の公式画像なのか?!ネットユーザーが待ち望んでいたJ-35なのか?焦らずに、3+5日後に珠海で会いましょう」とのコメントを添えた。
J-35は2014年に初公開された中国の第5世代戦闘機で、実戦配備済みの中国初のステルス戦闘機J-20に続く機種となる。米軍のF-35との類似性から「コピーF-35」との異名もあるが、F-35と異なり双発エンジンを採用。空母搭載型として運用される見込みで、中国はその性能がF-35を上回ると評価している。
12日から17日まで開催される珠海航空ショーを前に、J-35公開への期待が高まっている。環球時報は「短い投稿ながら、長年待望されていたJ-35が公式メディアに初めて登場した点で重要な意味を持つ」と指摘した。
中国の軍事専門家、張雪楓氏は環球時報の取材に対し、「投稿には疑問符が付いているものの、公式メディアの権威と信頼性を考えれば、この投稿は確かにJ-35に関する『スクープ』であり、垂直尾翼の形状からしてもステルス戦闘機である可能性が極めて高い」と語った。特に垂直尾翼に記された「75」という数字について、「今年は中華人民共和国建国75周年であり、11月11日は中国人民解放軍空軍創設75周年にも当たる」と説明した。
最近、シンガポールメディアの「聯合早報」も、中国が10年にわたる改良を経て珠海航空ショーでJ-35を中国空軍に導入する可能性を指摘。同紙は、J-35が実戦配備されれば「中国が米国に次いで、2種類の第5世代戦闘機を同時運用する国家となることを意味する」と分析している。
中国空軍の専門家である傅前哨氏は聯合早報の取材に応じ、「中型戦闘機のJ-35はJ-20より低コストで、J-7やJ-8など老朽化した現役機の代替を加速させ、配備数でJ-20を上回る可能性もある」と述べた上で、「J-35の空母搭載型の登場も時間の問題だ」との見方を示した。