人生初の職場でひどいイジメに遭い、25歳で自ら命を絶った故チョン・ヨンジンさんに対して、暴行や暴言、パワハラを行った上司が実刑判決を受けた。
6日、法曹界と遺族によると、最高裁は前日5日に脅迫と暴行、情報通信網利用促進ならびに情報保護等に関する法律違反で起訴された被告人の上告を棄却し、懲役2年6ヶ月の原判決を維持した。
江原道束草市(カンウォン道ソクチョ市)の自動車部品会社に勤務していた被告人は、昨年3月上旬、会社の外で部下のチョンさんに腹を立て頭を殴打するなど、2か月間で4回も暴行した疑いで裁判にかけられた。
さらに「明日出社したらすぐにバットで12回は叩いてやる」、「暴れるな、また殴られたいのか。今日はもっと痛い目にあわせてやる」など、86回も聞くに堪えない暴言と、そして、16回にわたり脅迫した疑いもかけられていた。
初めての職場で地獄のような日々を味わったチョンさんは、昨年5月23日に自ら命を絶った。
1審で「地獄からぬけ出す方法を見出せず、最終的に死を選ばざるをえなかった被害者が経験した精神的苦痛、恐怖、ストレスは計り知れない」とし、懲役2年6ヶ月を言い渡し、法廷で被告人を拘束した。
控訴審で被告人側は「被害者が死に至った経緯の責任が必ずしも被告人にあったとはいえない」と主張したが、高裁は「被告人の発言や行動が被害者の死に相当な影響を及ぼしたと疑って間違いない」として棄却した。
最高裁の判決を確認したチョンさんの兄は「職場内いじめに関する法律が強化され、2度と弟のような被害者が出ないことを願っている」と述べた。
一方、この事件に関連し、遺族側は民事でも被告人と会社代表に対し損害賠償訴訟を起こしている。
また、この事件を調査した労働福祉公団ソウル北部業務上疾病判定委員会は、昨年9月にチョンさんの死が労働災害に該当すると認めた。