7日のニューヨーク株式市場は、2日連続で史上最高値を更新した。大型優良株で構成されるダウ株30種平均だけがわずかに下落して取引を終えた。特に、ハイテク株中心のナスダックは史上初めて19,000ポイントを突破した。前日15%急騰したテスラは、この日さらに2.9%の上昇を記録し、2日間で増加した時価総額は、デトロイトの自動車大手3社の時価総額合計を上回った。今回のニューヨーク株式市場の上昇を引き起こしたドナルド・トランプ大統領のソーシャルメディア企業であるトランプ・メディアの株価は、23%急落した。一方、連邦準備制度理事会(FRB)が0.25%ポイントの利下げを決定したものの、予想通りだったため市場への特に大きな影響は見られなかった。
ナスダック19,000の大台突破、S&P500も最高値更新
主要3指数は、ダウを除いて2日連続で史上最高値を更新した。S&P500指数は前日比44.06ポイント(0.74%)高の5973.10で取引を終え、ナスダック総合指数は285.99ポイント(1.51%)高の19,269.46に達した。一方で、ダウ平均は0.59ポイント(0.00%)安の43,729.34でわずかに下落して取引を終えた。ウォール街の恐怖指数とされるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は1.07(6.58%)安の15.20と急落した。
テスラ株急騰で時価総額23兆円増、米ビッグ3合計を上回る
今回の大統領選で最大の勝者はテスラであると見られている。イーロン・マスクCEOが早くからトランプ勝利に賭けたことが株価急騰につながった。テスラは8.38ドル(2.90%・約1,295円)高の296.91ドル(約45,895円)で取引を終えた。前日に37.09ドル(14.75%・約5,734円)の急騰に続き、この日も2.9%上昇し、2日間で株価が45ドル(約6,957円)以上上昇した。時価総額は4日の8071億ドル(約125兆円)から、この日には9531億ドル(約147兆円)に急増した。2日間で増加したテスラの時価総額1460億ドル(約23兆円)は、デトロイトの自動車大手3社の時価総額合計を上回る。この日の終値基準で、ゼネラル・モーターズ(GM)は609億ドル(約9兆円)、フォードは435億ドル(約7兆円)、アメリカ・イタリア・フランスの3カ国の合弁会社ステランティスは219億ドル(約3兆円)にとどまり、3社の時価総額合計は1263億ドル(約20兆円)だった。
時価総額対決、エヌビディアがアップルとの差を拡大
時価総額1位の座を争うエヌビディアとアップルの競争は、依然としてエヌビディアに有利に展開されている。前日アップルを抜いて時価総額1位に立ったエヌビディアは、この日アップルとの差をさらに広げた。エヌビディアは3.27ドル(2.25%・約506円)高の148.88ドル(約23,016円)で取引を終えた。アップルも2%を超えて上昇したが、エヌビディアの上昇率には及ばなかった。アップルは4.76ドル(2.14%・約 735円)高の227.48ドル(約35,168円)で取引を終えた。時価総額はエヌビディアが3兆6520億ドル(約564兆6,000億円)、アップルが3兆4390億ドル(約531兆6,700億円)となった。
ドル安が追い風、原油価格が反発転換
前日に6営業日ぶりに下落した国際原油価格は、一日上昇に転じた。
トランプ当選により強含んでいたドル相場が、この日下落に転じたことが要因だ。ドル指数は0.73%下落し、ドルを基準に取引される国際原油価格も連動して上昇した。ドル安により、原油が一定の価値を維持するには価格を引き上げる必要があるためだ。国際原油市場の指標となるブレント原油1月物は前日比0.71ドル(0.95%・約109円)高の1バレル当たり75.63ドル(約11,692円)となった。アメリカの原油基準であるウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)12月物も0.67ドル(0.93%・約103円)高の1バレル当たり72.36ドル(約11,187円)で取引を終えた。