5日(現地時間)の米大統領選で勝利したドナルド・トランプ次期大統領が7日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と初の電話会談を行ったと報じられた。この会談で、両者はウクライナ戦争の拡大を防ぐための具体的な方策について議論したとされる。
ワシントン・ポスト(WP)によると、会談はフロリダ州パームビーチのマー・ア・ラゴで実施され、トランプ次期大統領はヨーロッパに駐留する米軍の現状に触れながら、プーチン大統領に対し戦争の拡大を自制するよう助言した。両者はウクライナ戦争の終結を目指し、さらなる対話を続ける意向を示したという。
トランプ次期大統領はNBCのインタビューで「プーチン大統領との対話は非常に重要だ」と述べ、プーチン大統領も同日、「トランプ次期大統領との建設的な議論に前向きだ」と発言した。また、この会談にはイーロン・マスク氏も同席していたとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えている。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も6日、トランプ次期大統領に祝電を送り、彼の勝利を祝福した。ゼレンスキー大統領は、トランプ次期大統領とプーチン大統領の会談が戦争終結に向けた重要な一歩になる可能性に期待を示した。
一方、トランプ次期大統領は選挙期間中、ウクライナへの支援の見直しを主張しており、戦争を早期に終わらせることを強調してきた。昨年5月には「プーチン大統領と直接会談すれば、24時間以内に戦争を終結できる」と語っていた。
WPは、トランプ次期大統領が、正式な政権移行を開始する前に海外首脳と会談を行うという、異例の対応についても注目している。彼は政権内の情報漏洩を懸念し、今回の会談でもアメリカ政府の通訳を使わずに直接対話を行ったとされる。
さらに、WSJは、トランプ次期大統領の側近がウクライナのNATO加盟を少なくとも20年間延期し、戦線を凍結した状態で非武装地帯を設ける案を停戦構想として議論していると報じている。