仮想通貨の代表格であるビットコインが、1個当たり8万1000ドル(約1,245万円)を突破し、再び史上最高値を更新した。市場では、価格が再び8万ドル(約1,230万円)を下回ったものの、米大統領選の影響で更なる上昇の余地があるとの見方が広がっている。
米暗号資産取引所のコインベースによると、米東部時間10日午後1時25分時点でビットコイン1個当たりの価格は、24時間前比6.22%上昇の8万1110.99ドル(約17万円)で取引された。その後、価格は再び下落し、約1時間30分後には1個当たり7万9000ドル(約1,214万円)台まで下げた。
ビットコインの価格は米大統領選が終了した5日に1個当たり7万5000ドル(約1,153万円)を突破し、今年3月に記録した史上最高値を約7カ月ぶりに更新した。その後も7日に7万6000ドル(約1,168万円)、8日に7万7000ドル(約1,184万円)を突破するなど、連日最高値を更新している。
ビットコインに次ぐ時価総額2位の仮想通貨であるイーサリアムも、前日に3000ドル(約46万円)を突破した後、10日には約4%上昇し3100ドル台(約47万円)で取引されている。
ビットコインとイーサリアムは米大統領選以降、それぞれ18%、32%上昇した。米テスラのイーロン・マスクCEOが支持するとされる仮想通貨であるドージコインの価格も10日午後に40%以上急騰し、一時1個当たり0.3ドル(約46円)で取引された。
5日(現地時間)の米大統領選で勝利したドナルド・トランプ次期大統領は、今年7月にテネシー州ナッシュビルで開催された「ビットコイン2024カンファレンス」で「再選すれば、米国を世界の仮想通貨の首都かつビットコイン大国にする」と述べ、仮想通貨規制の緩和を約束した。
同時に、バイデン政権下で仮想通貨規制を主導した米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長の解任も予告した。マスク氏は今回の大統領選でトランプ次期大統領を全面的に支持しており、これを受けて市場ではドージコイン価格の上昇への期待が高まっている。
米経済メディアのCNBCは、複数の仮想通貨がトランプ次期大統領の約束した仮想通貨に友好的な規制環境下でより大きな恩恵を受ける可能性があり、これが彼の側近らの優先課題になるだろうと分析した。
仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタルのリサーチ責任者アレックス・ソン氏は「仮想通貨は黄金期に突入している」とし、「トランプ次期大統領とその側近、支援者らの仮想通貨支持傾向は、トランプ次期大統領が業界に約束した内容を実行に移す可能性を高めている」と予測した。