ロシアに派遣された北朝鮮軍とウクライナ軍の交戦が迫っているとの分析が出る中、元軍人の脱北者らが北朝鮮兵士の脱営を促す宣伝物を制作し、ウクライナ側に渡したことが明らかになった。
11日(現地時間)、元軍人の脱北者とその家族で構成される「脱北者宣伝団」は、脱出方法を案内するチラシやラジオ放送用の音声ファイルなどを制作し、在韓ウクライナ大使館に届けたと発表した。この団体は、民族統一連帯(ギョレオル統一連帯)のチャン・セユル代表を団長として先月25日に結成された。
宣伝団はウクライナ軍に直接宣伝物を渡す計画だ。チャン団長を含む団員2名が同日午後、ベルギーのブリュッセルでウクライナ軍関係者と面会し、自作の宣伝物とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領宛ての公開書簡を手渡す予定だ。書簡には「ウクライナ軍の積極的な心理戦により北朝鮮軍兵士の集団降伏と脱出を誘導できる」などの内容が盛り込まれている。
一方、10日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、ロシアがウクライナに占領されたクルスク州一帯を奪還するため、北朝鮮軍を含む5万人の兵力を集結させたと報じた。これらの部隊は数日以内に進撃を開始する見込みで、北朝鮮軍の約1万人はロシアの軍服と武器を支給され、訓練中だという。また、米国防総省は、北朝鮮兵士らが塹壕戦の訓練を受けていることから、彼らが最前線でウクライナ軍と交戦する可能性が高いと見ている。