タイ東部ブリーラムで、64歳の母親が薬物依存症の息子を自宅に閉じ込めるために「監房」を設置したことが明らかになった。息子は42歳で、長年薬物中毒とリハビリを繰り返し、攻撃的で予測不能な行動を取るようになったため、母親はこのような措置を取ったとされる。
現地メディア「Khao Sok News」によると、母親は息子が近隣住民に危害を加えることを恐れ、鉄格子で囲った部屋を自宅に設置した。警察の調べに対し「20年以上、恐怖の中で生きてきた」と述べたという。
一方で、当局はこの行為を「違法な人権侵害」と指摘しつつも、「母親の絶望的な状況を理解する必要がある」とコメントした。現在、息子の治療が必要かどうかを評価中である。
この事件は、タイが抱える薬物問題の深刻さを浮き彫りにしている。タイは麻薬生産地として知られる「ゴールデン・トライアングル」に隣接しており、薬物取引や中毒者問題が社会的な課題となっている。
さらに、先日もタイ東北部ウドーンターニーで、薬物中毒の母親に放置されていた3歳の男児が高速道路を歩いているところを警察に保護された事件が発生している。男児は15km離れた祖母の家へ向かう途中で目撃者によって発見された。母親は定期的に薬物を使用しており、子どもをしばしば放置しては食事を求めて物乞いさせていたという。