売春の容疑で起訴され、第一審で有罪判決を受けた韓国の現職警官が、控訴審で無罪となり判決が覆ったことが明らかになった。
10日(現地時間)韓国の法曹界によると、ソウル東部地裁刑事控訴1-2部(キム・チャンヒョン、キム・ソンフン、ジャン・チャン部長判事)は、売春処罰法違反の容疑で起訴されたA被告(28)に対し150万ウォン(約16万5,112円)の罰金を命じた第一審判決を破棄し、無罪を言い渡したという。
A被告は大学生だった2021年1月、京畿道龍仁市(キョンギ道ヨンイン市)にある某売春店で18万ウォン(約2万円)を支払い、外国人女性を売春した容疑で起訴された。
第一審では、A被告が店のオーナーに18万ウォンを振り込んだ点、オーナーからのメッセージ内容が単なるマッサージの予約とは考えにくい点、お店で管理するリストにA被告の個人情報とともに「良い客」と記載されていた点などをもとに有罪判決が下されたと伝えられた。
しかし、A被告は「単なるマッサージのお店だと思って訪れた。しかし、室内から不快な臭いが漂っていたため、すぐに退出した」と主張し、容疑を全面否定したという。
控訴審の裁判所は「被告人と売春女性との間に性行為が行われたかどうかについて、十分な証拠があるとは言い難い」として第一審の判決を破棄した。リストを作成した店のオーナーはお金を受け取り「良い客」と記載したのだとしても、彼は売春現場にいなかったため、実際に性行為の有無に関する証拠としては見なせないと判断した。
また、裁判所は「性行為を行わず、18万ウォンを返金してもらうこともなく、その店を去ったという主張は通常ではない」としながらも、A被告が責任者に運転免許証などの個人情報を送信したことから、身元が明らかになっていたため、大ごとになることを避けるために18万ウォンの返金を諦めたという可能性を排除できないと考えたという。
これに対し検察は、判決を不服として上告したと伝えられた。