エアショーを開催している中国南部広東省珠海市で、60代男性が運転するSUVが群衆を襲撃し、70人以上が死傷する事件が発生した。
珠海市公安局によると、11日午後7時48分頃、男性Aが小型SUVを運転して珠海市スポーツセンターの正門を突破し、センター内の歩行者専用道路に侵入した。
運動していた人々を次々にはねた後、逃走を図ったが、警察に逮捕された。逮捕時、Aは車内で刃物を取り出し自傷行為を試みたが、警察に制止され病院に搬送された。
公安当局の調査では、Aが離婚後の財産分与に不満を抱き、犯行に及んだ可能性が高いとされている。現在Aは自傷行為により昏睡状態で、取り調べに応じられない状況だ。
目撃者によれば、事件現場は、地元住民が運動や散歩のためによく訪れる、長さ400メートルの歩行者専用エリアで、灰色のSUVが広場を何度も往復しながら衝突を繰り返したという。地面には血痕や切断された指が散らばり、凄惨な状況だった。
SNSに共有された映像には、事件車両が市民をはねながら歩行者エリアを旋回し、恐怖に駆られた市民が「助けて」と悲鳴を上げる様子が記録されていた。負傷者には中高年や高齢者、子供や若者も含まれており、事件現場の写真や動画は微博(Weibo)などで拡散されたが、当局によりすぐに削除された。
特に珠海市当局は、中国最大のエアショー「第15回中国国際航空宇宙博覧会」の開幕に悪影響を及ぼすことを懸念し、事件について一時的に沈黙を保ったと批判されている。
習近平国家主席は「負傷者の治療に最善を尽くし、被害者とその家族への支援に万全を期すように。犯人は法律に基づき厳罰に処すべきだ。各地域と関連部門は危険の予防と管理を強化し、争いを適時に解決して極端な事件の発生を厳しく防止して、安全確保に全力を尽くすように」と指示した。