ロシアは、続々と発表されるドナルド・トランプ第2期政権の閣僚人事に注目し、特にウクライナ政策の行方を見守っている。
ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は14日(現地時間)の記者会見で、「その進展を注意深く見守っている」と述べた。「我々にとって優先事項ではない」としつつも、次期米政権に関心を示唆した。
ロシアが最も関心を寄せているのは、ウクライナでの特別軍事作戦に対する米国の立場だ。トランプ次期大統領がウクライナ問題の迅速な解決を繰り返し表明しており、前任のジョー・バイデン政権とは異なる米国の外交政策の変化が予想される。
ロシアのメディアは、トランプ次期大統領が指名したマイク・ウォルツ下院議員、マルコ・ルビオ上院議員、マット・ゲイツ下院議員らの過去の発言を精査し、次期米政権の対ロシア政策の方向性と強度を推し量ろうとしている。
ロシアのメディアRBCは前日、トランプ次期大統領が指名したルビオ上院議員(国務長官候補)とウォルツ下院議員(国家安全保障担当補佐官候補)がともにタカ派に分類されるとし、両候補がウクライナ紛争に疲弊感を抱く共和党内の雰囲気を反映していると分析した。
特にルビオ候補については、ウクライナがロシアに奪われた領土の回復を断念し、和平交渉に応じるべきだと幾度となく主張してきた点に注目が集まっている。
彼は昨年9月のNBCインタビューで「私はロシア側ではない。しかし、戦争を終結させる現実的な方法は交渉による合意だ」と語った。
RBCはまた、彼が昨年4月にウクライナへの950億ドル(約14兆6,305億円)規模の軍事支援提供に、反対票を投じた共和党上院議員15人の一人であったことを強調した。
ウォルツ候補もウクライナ支援に懐疑的であり、紛争解決のためにロシアに対して強力な経済制裁を課すことを提案しているとRBCは説明している。
彼は大統領選前のNPRインタビューで、プーチン大統領を交渉のテーブルにつかせるには、実効性のあるエネルギー制裁を課す必要があると主張した。また、ロシアを「核兵器を持つガソリンスタンド」と表現したこともある。
リアノーボスチ通信は14日、ゲイツ候補が下院議員時代に「ロシアからクリミア半島を分離する目標は不可能だ」と発言したと伝えた。ロシアは2014年にウクライナのクリミア半島を併合したが、西側諸国はこれを認めていない。
また、ゲイツ候補が2022年、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領の米国議会演説時に起立して拍手を送らなかったことも、リアノーボスチ通信は指摘している。