ドナルド・トランプ米次期大統領との早期会談を目指していた石破茂首相は、この試みが不調に終わった。朝日新聞は18日、トランプ陣営が会談から得られる利益はないと判断したためと報じた。
報道によると、石破首相は南米歴訪を終えて帰国する途中、米国に立ち寄り、トランプ次期大統領との会談を模索したが、トランプ次期大統領は来年1月の大統領就任前に外国首脳と面会を控える方針を示したという。
さらに、トランプ陣営は、米国市民が無許可で外国政府と交渉することを禁じた「ローガン法」を理由に、石破首相との早期会談は困難だとの立場を取った。
朝日は、トランプ次期大統領が2016年の初当選時、「政界のアウトサイダー」として外国首脳との会談で権威を得る必要があったが、現在ではその状況が大きく変わり、外国首脳との会議に消極的な理由はこの点にあると指摘している。
同紙は、「今や権威付けが不要になったため、石破首相との早期会談にも利点がないと判断したようだ」と分析している。
一方、安倍晋三前首相は2016年の米大統領選でトランプ次期大統領が勝利した直後、就任前に会談を実現し、これを契機に緊密な関係を築いた。
朝日新聞は、先月の衆院選で与党が過半数割れし、政権基盤が揺らいだ石破首相が、トランプ次期大統領との早期会談に意欲を示していたことを指摘した。今回の不調により、政治的打撃は避けられない情勢となった。
同紙によれば、7日に行われたトランプ次期大統領と石破首相の約5分間の初の電話会談では、トランプ大統領は早期会談に前向きな姿勢を示した。しかし、人事作業が本格化するにつれて、その姿勢が変化したという。
早期会談の不調を受け、自民党の中堅議員は朝日新聞の取材に対し、「石破首相は外交センスに欠ける」と批判。さらに、「5分間の通話での口頭の約束を過大評価したのは軽率だ」と指摘した。
朝日新聞は、日本政府がトランプ次期大統領の就任後、来年1月以降に改めて会談を調整する見込みだと報じた。しかし、同紙は「野党との激しい論戦が予想される国会開会中であり、日程調整は容易ではないだろう」と予測している。