18日(現地時間)イスラエルの英字メディア「エルサレム・ポスト」は、レバノン政府とレバノンに拠点を置く親イラン武装組織「ヒズボラ」が、バイデン政権の停戦案について条件付きで同意したと報じた。
ヒズボラから交渉の委託を受けているレバノン国民議会のベリ議長の側近ハリル氏は、停戦案について若干のコメントを付けて、同日、駐レバノン米国大使に文書で回答したと明らかにした。
ベリ議長はヒズボラ穏健派で、ヒズボラとの間に交渉のパイプがあるといわれている。
ハリル氏は、レバノンの回答は前向きなものであり、2006年、イスラエルのレバノン侵攻の際に、ヒズボラとイスラエル間の停戦条件として採択された国連安全保障理事会決議第1701号の内容とも合致すると強調した。
1701号は、レバノンとイスラエルの国境地帯と約30キロ離れたリタニ川に挟まれた地域でのヒズボラの武装を禁じている。
ハリル氏は、停戦の実現はイスラエル次第だという見方を示したが、イスラエル側は停戦案に否定的な姿勢を示しているようだと併せて懸念を表明した。
イスラエルは今回の報道に対し、現時点で公式な反応を示していない。
イスラエルは、ヒズボラの武装勢力や武器は国境に常時配備されており、1701号は遵守されてこなかったとこれまで主張してきた。
停戦に向けた動きが進展しつつある状況下にもかかわらず、同日、イスラエル軍はレバノン政府の本庁舎や国民議会、国連オフィス、各国の大使館などが集中する首都ベイルートの中心部を空爆したと、レバノンの国営通信社「NNA」は伝えた。
レバノン保健省は、この空爆により少なくとも5人が死亡し、31人が負傷したと発表した。
また、前日17日にはイスラエル軍の空爆により、ヒズボラのアフィフ報道官が死亡している。
一方、バイデン政権は会談のためにアモス・ホフスタイン米大統領特使がベイルートに訪問中だと説明した。