マチュピチュで遺骨の粉を撒いた女性観光客
世界遺産マチュピチュで、女性観光客が遺骨とみられる粉を撒く様子を撮影した動画が公開され、現地で非難の声が広がっている。
14日(現地時間)、英国メディアのデイリー・メールなどは、ペルーの世界文化遺産マチュピチュで、女性観光客が遺骨とみられる白い粉を撒く様子を報じた。
公開された約30秒の動画には、マチュピチュに登った女性がビニール袋から取り出した白い粉を風に舞わせる様子が映っている。
その後、女性は地面に向かって頭を下げ、同行者が涙ぐむ彼女を抱きしめて慰める場面が映し出された。この動画はペルーの旅行会社「インカゴ・エクスペディションズ」がTikTokに投稿したものだ。
「考古学遺跡で遺骨を撒く行為には厳罰を科すべきだ」
白い粉が実際に遺骨であるかは確認されていないが、荘厳な背景音楽や「マチュピチュでの別れ」、「火葬した遺骨」、「遺骨を撒く」といったハッシュタグが付けられていることから、遺骨である可能性が高いと推測されている。
この動画が拡散されると、現地では大きな波紋を呼び、特にマチュピチュを擁するクスコ地方では関係者への処罰を求める声が高まっている。
クスコの法律家委員会は「マチュピチュで火葬した遺骨を撒く行為は現行法に違反する」として、当局に捜査を要請した。また、現地の弁護士ティカ・オレゴン氏は「考古学遺跡は遺骨を撒いたり、遺体を埋葬したりする場所ではない」と述べ、女性の行為を厳しく非難した。
ペルー文化省は通報を受け、遺跡を損壊した女性観光客とその案内を担当した旅行会社の特定に向けて調査を開始した。さらに、動画を最初に公開した旅行会社が商業目的で投稿した可能性があるという疑惑も浮上している。
現地メディアは「故人の冥福を祈るためにマチュピチュに遺骨を撒きたいと考える人は多いだろう」とし、「旅行会社がこうした人々をターゲットに誘致を図るために動画を投稿した可能性がある」と分析している。