検察「有罪評決の破棄には反対」
ドナルド・トランプ次期大統領を「性的スキャンダルの口止め料支払い容疑」で起訴したアメリカの検察が、トランプ次期大統領に対する裁判の中断と、量刑宣告の延期に同意する意見書を裁判所に提出した。これにより、判決の延期や軽微な処罰にとどまる可能性が高まり、トランプ次期大統領にとっては「任期中」の司法リスクを回避できることになる。
19日(現地時間)、AP通信によれば、アルヴィン・ブラッグ検事総長が率いるマンハッタン地方検察庁の検察官らは、この意見書を第一審裁判所であるニューヨーク・マンハッタン刑事裁判所のファン・マーチャン裁判官に提出した。検察は意見書で、「アメリカ大統領職に伴う要求と義務を考慮した」と説明し、トランプ次期大統領がホワイトハウスに復帰した場合、「前例のない法的課題を引き起こす」可能性に言及した。一方で、「陪審員が果たす憲法上の根本的な役割を深く尊重する」とし、昨年5月に陪審員が下した、トランプ次期大統領に対する有罪評決を覆すことには反対の立場を明確に示した。
マーチャン裁判官は、現時点での検察の意見に基づく決定を下していない。当初26日に予定されていたトランプ次期大統領への量刑宣告は、大統領選後に検察が法的検討のための時間を要請したことで裁判が中断され、宣告が予定通り行われるかどうかは依然として不透明だ。マーチャン裁判官が検察の要請を受け入れた場合、有罪評決を維持しながらも量刑宣告をトランプ次期大統領の任期終了後に延期する可能性がある。また、仮に宣告が行われても、トランプ次期大統領の高齢を考慮すると、実刑判決を受ける可能性は低いとBBCはニューヨーク州ブルックリンの元検事の見解を引用して伝えている。
一方、トランプ次期大統領の弁護団は、裁判所が大統領在任中にこの事件を扱うことについて、彼の政権運営に「違憲的な障害」が生じる可能性があると主張し、裁判所に訴えの却下を求めている。