トランプ次期米大統領は、ホワイトハウスに仮想通貨政策を専門に担当する部署の新設を検討している。トランプ次期米大統領は、バイデン政権下で仮想通貨規制を主導してきたゲーリー・ゲンスラー証券取引委員会(SEC)委員長の解任と、仮想通貨関連の大統領諮問委員会の新設を公約しており、その実現に向けて動き出した形だ。
20日(現地時間)の米メディア報道によると、トランプ次期米大統領の政権移行チームは仮想通貨業界と協議を重ね、候補者の選定を進めている。新設が予定されるこのポストは、ホワイトハウスと米議会、SEC、商品先物取引委員会(CFTC)など関係機関間の仮想通貨政策の調整役を担うとされる。
これに関連し、米バイナンス法人の最高経営責任者(CEO)を務めたブライアン・ブルックス氏が19日、トランプ次期米大統領と面会した。ブルックス氏はSEC委員長候補として名前が挙がっている。また、コインベースのブライアン・アームストロングCEOも今週トランプ次期米大統領との会談を行った。
トランプ次期米大統領の意向通り仮想通貨政策専門の部署がホワイトハウスに設置されれば、米国初の試みとなる。
仮想通貨業界はトランプ次期大統領との直接対話が可能な窓口の設置を要望している。業界関係者の間では諮問委員のポストを巡る駆け引きが始まっているとされ、政権移行チームが最近フロリダ州マールアラーゴのトランプ邸を訪問したとの情報も伝えられている。
このポストの設置が実現すれば、トランプ第2期政権における仮想通貨業界の影響力を象徴することになりそうだ。
トランプ政権移行チームの仮想通貨に対する前向きな姿勢は、昨年の選挙戦でトランプ次期米大統領が仮想通貨業界に積極的にアプローチしたことと軌を一にする。トランプ次期米大統領は昨年7月のビットコイン会議に出席し、「仮想通貨産業を積極的に育成するビットコイン大統領になる」と約束していた。
また、トランプ政権移行チームは現在、仮想通貨政策に大きな影響力を持つCFTC委員長として、前職及び現職のCFTC幹部らの人選を進めている。仮想通貨に前向きな姿勢を示してきた共和党所属のCFTC委員、サマー・K・マーシンガー氏が次期CFTC委員長の有力候補とされている。