ニュージーランド議会で下院議員の1人が審議中に法案を破り捨てながら、突然、大声を出しながら踊り始めた。
すると、示し合わせたかのように隣席の議員や傍聴人も立ち上がり、同じ動きをとった。
14日、ニュージーランド議会で起きた出来事は現在、SNSなどを通して動画が広く拡散されている。
この日、議会では1840年にイギリス王室とニュージーランドの先住民「マオリ」の首長らが締結し、マオリの権利を保障してきた「ワイタンギ条約」の解釈を見直す法案の審議が行われており、この踊りはマオリ系の議員たちが抗議するためにとった行動である。
議員たちが披露したのは、マオリの伝統舞踊「ハカ」だ。
ハカは昔、戦闘の前に戦士たちが士気を高め、団結を深めるために行われた儀式に由来する。
「世界最強」といわれるニュージーランドのラグビー代表チーム「オールブラックス」が試合前に行うことで、よく知られている。
ハカはそれほどまでにニュージーランドの精神を象徴するものだといわれている。
ハカを主導したハナ=ラウィティ・カレアリキ・マイピ=クラーク下院議員(22)は、24時間の退席処分を受けた。
マイピ=クラーク議員は昨年12月にも議会でマオリ語の保護を訴えてハカを披露し、国際的な注目を集めた。