中国で相次ぐ「無差別殺傷」の原因として景気低迷が指摘され、弱者への社会的支援を求める声が高まっている。11日夜、珠海市で起こった車両突入事件などがその例だ。
香港日刊紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は24日、北京大学法学院教授が、最近SNSで「中国の法制度は加害者の背景を理解せず、迅速な処罰を優先している」と指摘したと報じた。
また、教授は「加害者の真の動機を把握せず処罰だけを行うと、被害者を慰めることも、類似事件の再発を防ぐこともできない」と強調した。
中国政法大学の刑事司法学教授は「現代社会では公平・公正な公権力の行使が行われなければ、報復行為が起こりやすい」と指摘し、「社会学的な観点で資源を配分し、福祉重視政策を合理的に適用することで弱者を支援し、希望を持てるようにすべきだ」と述べた。
中国のSNS上では、上海の華東理工大学の博士課程学生2人が2019年に執筆した犯罪に関する研究論文が再び注目を集めている。
論文では、社会的挫折感を味わった後、ネガティブな感情を緩和する社会・心理的支援が不足すると、報復行為につながる可能性があると指摘し、不特定多数を狙った犯罪行為は、加害者が極端な行動を通じて世間の注目や承認欲求を解消するための暴力の一種である」と論じている。
市民の間では、経済的困窮者に無料の食事を提供するなど、自発的な支援の動きが広がっている。
天津市の地元メディア「文明天津」によると最近、ある豚足飯店が生活困窮者に無料で食事提供を始めたという。
店頭のポスターには「希望を持ち、生き延びるための努力が必要だ」というメッセージが添えられている。
同市のある牛肉麺店も経済的困窮者に無料で牛肉麺を提供している。
店主は「困っている人々への最も直接的な支援は食事だと思った」と語った。