24日(現地時間)2021年にスペイン全土を震撼させた「同性愛者嫌悪」による殺人事件で犯人グループに有罪判決が下ったとスペインの現地メディアが報じた。
2021年、スペイン北西部アコルーニャにあるナイトクラブの近くで被害者のサミュエル・ルイス氏が若者グループに暴行を受け、搬送先の病院で死亡した。
事件はスペインで陪審員制度が導入されて以来、最長期間にわたる審議を経て判決が出された事件の1つとなった。
この日の裁判で陪審団は起訴された5人のうち4人に有罪評決を下した。
主犯格の3人は加重殺人の罪で有罪判決が言い渡された。
また、その他1人が殺人共謀罪で有罪となった。
犯人グループのうち、女性1人だけが無罪判決を受けたという。
陪審団は犯行当時、犯人グループが被害者であるルイスの話し方や服装を見て彼が「ゲイ」だと判断し、スペイン語で女性的な男性や同性愛者を侮辱する言葉として使われ、日本語では「オカマ」などに該当する「マリコン」という差別的な言葉を浴びせ、同性愛を敵対視する発言をしたことが証明されたことからこの判断に至ったという。
無罪判決となった女性は、被告の男らが被害者を暴行するのを止めようとしたと陪審団は判断した。
有罪判決後、被告側はすぐに控訴する意向を示した。
弁護士は「予想通りの結果だ」としながらも、当時、飲酒・薬物使用などにより正常な判断能力がなかったという情状酌量の余地が認められなかったと控訴の理由を述べた。
主犯格の内の1人は、裁判の最終弁論で10分間の時間を割いて遺族に許しを求めた。
彼は「ルイスの家族に謝罪します。すべての出来事は私が原因で始まりました。私の行動がなければ、このようなことは起こらなかったでしょう」と語った。
しかし、反面、彼は「暴行事件がルイスの死を直接引き起こしたわけではない」と主張し、無罪を訴えた。
また他の主犯格1人も「自分がルイスを地面に投げつけたことは認めるが、はっきりと伝えたいのは、ルイスは私のせいで死んだわけではないということだ」と反論した。
スペイン検察はルイスが受けた残虐な暴行について、「残酷で非人道的な行為だ」と表現した。
「被害者は無防備な状態で攻撃を受け、犯人グループに追い詰められ、最終的に暴行を受けた」と強調した。
検察は被告人らにそれぞれ禁錮13年から27年を求刑した。