22日、北朝鮮の労働党機関紙「労働新聞」は、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が前日に開催された武器展示会「国防発展2024」の開幕式で、今後直面する安全保障上の脅威に対しても「我々は自国の力で十分に対処できる能力と安全保障を確保できると確信している」と述べ、国防力を誇示したと報じた。
一方、北朝鮮がロシアのウクライナ侵攻に派兵した1万人超の兵力管理に苦慮していることが26日に明らかになった。最大の懸念は、北朝鮮社会の動揺が体制の脅威となる可能性があることだ。
統一部当局者は26日、記者団に対し「北朝鮮はロシアへの派兵を公式に認めていないが、内部ではその噂が広まり、家族が泣き崩れたという話も広まっている」と明らかにした。
ウクライナ戦争の長期化に伴い、北朝鮮内で派兵の事実が明らかになる可能性が高く、死傷者や離脱者が増加すれば、情報隠蔽は困難になるだろう。その際、住民の不満が爆発し、体制崩壊のリスクが高まることも懸念される。
今後、北朝鮮は国内の注目を外部の敵に向けるため、韓国に対する挑発行為や米国をはじめとする西側諸国への非難を強化すると予想される。キム総書記が10年ぶりに大隊長・大隊政治指導員大会を開催し、対米批判を展開した背景には、このような事情があると考えられている。
統一部当局者は、「外部からの脅威を誇張して危機感を煽ろうとしている」と指摘し、「1960年代のベトナム派兵時にも、北朝鮮は頻繁に韓国への挑発を行っていた」と述べた。
また、統一部は、北朝鮮が今後、派兵を公式に認め、派兵部隊のローテーションを実施する可能性が高いと予測している。さらに、北朝鮮とロシアは最近、戦争状態にある場合に、軍事支援を行うという内容を含む条約をそれぞれ批准したと報じられた。批准書の交換手続きが完了すれば、条約は発効される予定であり、北朝鮮とロシアの条約を根拠に派兵を公式化する可能性があるとの見方が示されている。
派兵部隊のローテーションは、ウクライナ戦争の長期化に備え、死傷者や離脱者を最小限に抑えるための措置として検討されている。兵力の一部を帰還させ、新たな兵力と交代することで、1万人規模を維持する方針だ。統一部当局者は「戦争が長期化すれば、追加派兵よりもローテーションが行われる可能性が高い」と述べた。