ロシアが2022年2月24日にウクライナを侵攻した当日、核兵器を使用できるよう全ての準備を整えていたという証言が出てきた。
英BBCは26日、脱走したロシア軍人の証言を引用し、ロシア軍が核兵器基地を戦闘態勢に移行させていたと報じた。
報道によると、脱走したロシア軍人のアントン(仮名)はBBCに対し、「ウクライナの本格的な侵攻が始まる直前まで、自分が勤務していた核兵器基地では訓練のみを行っていた。しかし、開戦当日、基地全体に戦闘警報が発令された」と述べ、「我々は部隊を海上と空中に展開し、核攻撃を実行する準備が整っていた」と主張した。
さらに「開戦初日から戦闘警報が発令されたものの、部隊は基地内部にほぼ閉じ込められた状態だった」とし、「我々は警報に従って任務を遂行し、その約2~3週間後に警報が解除された」と付け加えた。
BBCは脱走兵の主張を公式に確認することはできなかったものの、この証言が開戦初期にロシアが発表した公式声明と一致すると伝えている。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は開戦3日後、「ロシア軍の核抑止力が『特別戦闘態勢』に移行した」と述べ、核戦争の可能性を示唆した。
脱走兵はBBCに対して「我々は戦闘警報発令後、2分以内に核兵器を起動できるよう絶え間なく訓練していた」と述べ、「自分は基地内に許可されていない物品、特に携帯電話を持ち込むことを禁止する役割を担っていた」と語った。
そして「開戦後、軍当局はロシア兵に対し、ウクライナの民間人も戦闘員と同様であり、殲滅すべきだと言った」とし、「しかし、それ(民間人の殺害)は明らかに戦争犯罪だと判断し、上層部に従えないと伝えた」と強調した。
アントンは戦争不参加の声明書に署名し、刑事裁判を受けている途中で脱走した。その後、脱走兵を支援する団体の協力を得て、ロシアから脱出することができた。
彼は「ロシア軍は命令に従わない兵士や脱走兵を最前線に送り、『砲弾の的』として利用した」とし、「多くのロシア兵が自分と同じく戦争に反対しているという事実を世界に知らせたい」と語った。