メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

中国、景気低迷と賃金未払い問題が引き金に…米国の対中制裁が企業経営に影響

荒巻俊 アクセス  

中国全土で賃金未払いに抗議する労働者のデモが多発している。世界の自動車市場を揺るがす自動車産業をはじめ、建設業や衣料産業全般で賃金の削減や未払い問題が深刻化しており、労働者との対立が相次いでいる。

中国企業は世界市場での低価格競争を背景に、全方位的なコスト削減を進めている。一方で、米国による対中制裁の影響で経営が悪化する企業も増えており、これが問題の背景にあると指摘されている。

引用:Shutterstock*この画像は記事の内容と一切関係ありません

○景気減速で賃金の未払いが急増

26日、日本・インドの現地メディアは、先週から中国上海の主要道路で中国国有自動車企業「上海汽車」の下請け従業員数百人がデモを行い、道路を占領した。原因は、会社側による一方的な退職条件の提示と賃金の未払いだ。特に、電気自動車業界での価格競争が激化する中、自動車各社はコスト削減を優先し、その結果労働者の賃金未払い問題が表面化している。

企業が部品調達費、運営費、賃金を含む全ての支出を削減する中、賃金の遅配や自主退職を装った実質的な強制解雇が増えている。

上海汽車工場で働くマイク・チェン氏は、「「ボーナスや残業代が大幅にカットされ、今年の給与は2016年に入社した当時の3分の1にも届かない」と述べた。また、「入社時にはこの会社で働けることを誇りに思っていたが、今は怒りと悲しみしか感じられない」と語った。

自動車関連企業も状況は同様だ。一部の自動車部品メーカーは、従業員を20~30%削減してもなお、賃金を十分に支払えていない。

景気低迷の影響は自動車産業にとどまらず、生活に困窮した労働者たちが各地で街頭に立つ状況が続いている。年末を控え、中国全土で未払い賃金を巡るデモやストライキが頻発している。

最近、中国湖北省武漢では建設労働者が大規模なデモを行い、杭州市では衣料工場の労働者が未払いに抗議して団体行動を起こした。広東省では食品や日用品の配達員らが抗議活動を行う姿が目撃されている。これらのデモの一部はSNSに投稿されたが、その後削除されている。

インドメディア「ビジネス・スタンダード」によると、今年上半期だけで中国国内で発生したストライキやデモの件数は719件に上り、集団行動が大幅に増加しているという。

○「無差別殺傷事件」多発

専門家は、米国や欧州による対中貿易制裁が強化される中、中国国内で労使対立が拡大していると分析している。不動産市場の低迷が鉄鋼、石油、小売、衣料産業全般に波及し、輸出環境の悪化によって企業の経営難が深刻化しているためだ。国際人権団体「フリーダムハウス」によると、第3四半期の中国国内の労使紛争件数は、前年同期比で27%増加した。同団体は「中国では労使関係がまだ十分に定着しておらず、労働紛争が発生しても解決する仕組みが不十分である」と指摘している。

こうした状況下で、経営悪化に苦しむ企業が賃金を滞納し、収入が減った労働者が支出を抑えることで、消費がさらに落ち込むという悪循環が続いている。中国政府は9月末以降、不動産市場規制の緩和や政策金利の引き下げなど、成長を維持するための景気刺激策を次々と打ち出している。しかし、家計消費を直接的に支援する核心的な対策は依然として見られない。

また、来年初めにドナルド・トランプ次期米大統領の就任を控え、対中貿易制裁の一層の強化が見込まれており、中国経済の先行きにはさらなる不安が広がっている。S&Pグローバルは同日、中国の来年のGDP成長率予測を4.1%に下方修正し、2026年には3.8%に達すると予想した。これは、米大統領選直前の9月時点での予測値からそれぞれ0.2ポイント、0.7ポイントの引き下げとなる。

若年層の失業率が高止まりし、賃金未払いが広がる中、不特定多数を狙った犯罪も増加している。今月初めには広東省珠海市で車両が体育センターに突入し、78人が死傷する事件が発生した。さらに、大学や大型スーパーでの刃物による襲撃、小学校前での凶器を使った乱暴など、無差別に人々を襲う事件が相次いでいる。

香港メディアのサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は、「厳しい経済状況下で凶悪犯罪が増加している」と報じ、「都市で働く農村出身の出稼ぎ労働者が増える中、賃金未払い問題が深刻化し、社会問題となっている」と指摘した。

荒巻俊
aramakis@kangnamtimesjp.com

コメント0

300

コメント0

[ニュース] ランキング

  • 「外国人は技術さえ教えれば帰国させる」トランプ、韓国人300人拘束の‟前科”があっても反省なし
  • 米FRB、12月は‟金利据え置き”か…FOMC「多くの委員、維持が望ましい」
  • 「ガザ空爆のツケがウクライナに」TNT枯渇で戦闘力が‟崩壊寸前”、ロシアだけが恩恵を受ける皮肉
  • 「NY高官、中国スパイ疑惑浮上!」豪邸・フェラーリ・金庫の大金…FBIが見た“常識外れの贅沢”
  • 「オランダ、ネクスペリア統制を手放す」中国は歓喜の裏で“さらなる譲歩”を要求
  • 「お前もクビだ!」トランプ、金利据え置きに激怒…ベッセント長官に“解任”迫る

こんな記事も読まれています

  • アンジェリーナ・ジョリー、多彩な車庫構成に“生活重視”の姿が見える
  • 「ライト越しに赤ランプ点灯」冬朝に増える“危険な初期サイン”
  • 「世界で売れる理由」スモ魂をまとう新型ハイラックス、“フォード以外はトヨタ”の現実
  • 「iPhoneが鍵になる時代」なのに…Car Keyが広まらない“本当の理由”
  • 総額250兆円を投じても「史上最悪」と呼ばれるF-35…それでも米軍が手放さない“最強の戦闘力”とは?
  • 中国の脅威に“力で対抗”──日本、軍事力強化で対中抑止へ
  • 「お願いだから、私を連れて行って」…捨て犬が求めたのは食べ物よりも“ずっと一緒の家族”
  • 「外国人は技術さえ教えれば帰国させる」トランプ、韓国人300人拘束の‟前科”があっても反省なし

こんな記事も読まれています

  • アンジェリーナ・ジョリー、多彩な車庫構成に“生活重視”の姿が見える
  • 「ライト越しに赤ランプ点灯」冬朝に増える“危険な初期サイン”
  • 「世界で売れる理由」スモ魂をまとう新型ハイラックス、“フォード以外はトヨタ”の現実
  • 「iPhoneが鍵になる時代」なのに…Car Keyが広まらない“本当の理由”
  • 総額250兆円を投じても「史上最悪」と呼ばれるF-35…それでも米軍が手放さない“最強の戦闘力”とは?
  • 中国の脅威に“力で対抗”──日本、軍事力強化で対中抑止へ
  • 「お願いだから、私を連れて行って」…捨て犬が求めたのは食べ物よりも“ずっと一緒の家族”
  • 「外国人は技術さえ教えれば帰国させる」トランプ、韓国人300人拘束の‟前科”があっても反省なし

おすすめニュース

  • 1
    「世界最大級の東電原発・柏崎刈羽6号機が再稼働へ」…福島事故後初の復活に新潟知事が容認方針を固める

    トレンド 

  • 2
    【罪悪感なし】食品に“抗生物質”混入の中国飲食店!検察の調査で「腹痛防止のため」と驚きの言い訳

    トレンド 

  • 3
    【感動】体外受精で誕生した5歳息子の才能が話題に…タレント・サユリが明かす息子の日常

    エンタメ 

  • 4
    原作ファンも驚き!『親愛なるX』ドラマ化でウェブ漫画の閲覧数が“17倍”も急増

    エンタメ 

  • 5
    TWICE・ダヒョンが青春ドラマのヒロインに!『ラブ・ミー』で見せる初々しい恋の揺れに胸キュン

    エンタメ 

話題

  • 1
    元メジャーリーガーの挑戦に驚愕?ラーメンからタイ料理まで次々とオープンし“連続創業”というあだ名も

    エンタメ 

  • 2
    日本EVの競争力に黄信号!?シャオミ利益81%増が見せた現実

    モビリティー 

  • 3
    「バス転落で大学生ら15人死亡」...“無罪”主張し続ける社長らに遺族怒り「安全軽視の結末だ!」

    フォトニュース 

  • 4
    元サッカー選手パク・チュホの妻、娘ナウンのために手作りドレス!母の愛が詰まった特別な準備

    エンタメ 

  • 5
    「償いとしてYouTubeを引退する」登録者数1270万人のクリエイターを脅迫し懲役刑、刑務所から謝罪

    エンタメ 

シェア

[cosmosfarm_share_buttons url="https://dailyview.net" title="ピッコン" align="center"]