北朝鮮、開城工業団地の送電塔撤去作業中の映像を公開
北朝鮮が京義線(キョンウィ線)・東海線(トンヘ線)の陸路爆破や開城(ケソン)工業団地の送電塔電線撤去など、南北の断絶措置を進める中、3日、電線撤去作業中に送電塔が崩壊し、作業員が転落する様子を捉えた映像が公開された。
韓国統一部が同日公開した映像によると、軍事境界線(MDL)と開城工業団地の間の京義線道路付近で、北側地域に設置された送電塔の36号と37号が電線切断後にバランスを失い倒壊した。また、35号送電塔は電線撤去後に最上部が崩落した。この映像は先月30日に軍の監視装置で撮影された。
2006年12月、韓国電力は軍事境界線から開城工業団地までつながる京義線道路沿いに、数百メートル間隔で送電塔を設置した。
これらの送電塔は南北間に設置され、開城工業団地に電力を供給してきたが、2016年1月の北朝鮮による4回目の核実験を受け、同年2月から電力供給が停止された。当該区間には計48基の鉄塔があり、南側に33基、北側に15基が設置されている。
北朝鮮は先月24日から送電塔の電線撤去作業を開始し、現在もその作業が続いている。
政府関係者は「北側にある送電塔のうち、南側に最も近い34号はそのままで、35号は上部が湾曲し、36号から38号は倒壊した」と述べ、「34号から39号送電塔の電線は撤去されたが、残りの送電塔にはまだ電線が付いたままだ」と伝えた。
また、関係者は送電塔倒壊の原因について「切断された電線の重量に耐えきれず、送電塔が倒れたと推測される」と説明した。
統一部が同日公開した映像には、送電塔での電線撤去作業中に作業員が転落する瞬間も捉えられていた。この映像は先月30日に軍の監視装置で撮影された。
転落した北側の作業員は、高さ約10メートルと見られる送電塔の中間地点から落下し、落下の過程で送電塔の下部と衝突する場面も確認された。統一部当局者は、「安全対策が不十分で、過酷な作業を強いられる北朝鮮労働者の劣悪な労働環境が明らかになった」と述べた。