石破茂首相は4日、韓国で発令された戒厳令に関し、「特別かつ重大な関心を持って状況を注視している」と述べた。
石破首相はこの日、首相官邸で行われた記者会見で「韓国の戒厳令発令に伴う日本人の安全と日韓関係への影響」に関する質問に対し、「他国の内政に関してあれこれ言及する立場にはない」と前置きしつつ、このように発言した。
また、「韓国に滞在する日本人の安全については、領事メールを即時送信するなど可能な対応を行っている」と説明し、「日本人の安全確保に引き続き万全を期す。現時点で日本人の被害報告は全くない」と強調した。
石破首相は来年1月の訪韓計画については、「具体的に決まっていることは何もない」と述べた。これに関連し、読売新聞など日本のメディアは、石破首相が来月韓国を訪問し、ユン・ソンニョル大統領と首脳会談を行う方向で調整していたが、韓国の戒厳令発令を受け計画に支障が生じる可能性が高いと報じた。
この日、訪韓を予定していた中谷元防衛相も「韓国の戒厳令発令に特段の関心を持ち、事態を注視する」と述べた。
中谷防衛相は先月21日、ラオスで開催された第11回ASEAN拡大国防相会議（ADMMプラス）を機に、韓国の国防部長官との会談を行い、年内の訪韓を合意していた。しかし、韓国の戒厳令発令の影響で、当面の日韓間の高官交流は難しくなるとの見方が広がっている。