重症型エムポックス(サル痘)流行の中心地であるコンゴ民主共和国で、今度はインフルエンザに似た症状の原因不明の病気が広がり、少なくとも71人が死亡したことが明らかになった。
5日(現地時間)「AP通信」によると、コンゴ民主共和国の保健省は南西部クワンゴ州パンジで、10月ごろからインフルエンザに似た症状を示す原因不明の病気が382例確認され、合計で71人が死亡したと発表した。
保健省は同日、首都キンシャサで記者会見を開き、「27人は病院で、44人は自宅で亡くなった。病院での死亡者のうち10人は輸血が足りず、子どもを含む17人は呼吸困難が原因で亡くなった」と説明した。
さらに「感染者は10代後半までの青少年が大半で、インフルエンザに似た発熱や頭痛、咳などの症状を示した」と補足した。
感染が確認されたクワンゴ州パンジは首都キンシャサから南東約700キロ離れた場所に位置し、住民の40%が栄養不足に苦しむ貧困地域で、医療資源も限られている。
アフリカ連合の疾病対策センターのジャン・カセヤ事務局長は、オンラインで会見を行い「感染性の有無や感染力の強さ、感染経路を含めて、この病気についてはいまだ不明な点が多い。初期の診断結果を勘案すると、現時点では呼吸器疾患と推定している」と述べた。
また「現在検査結果を待っている。48時間以内に感染者の検体の分析結果が出れば、この病気の詳細も明らかになるのではないだろうか」と付け加えた。
一方、WHOも先週にはこの原因不明の病気の存在を認識し、詳細な調査のため、コンゴ民主共和国の保健省と協力していると発表した。