ドナルド・トランプ次期大統領と度々対立してきたアマゾン創業者のジェフ・ベゾスが、来年1月に発足するトランプ政権第2期について楽観的な見方を示した。
4日(現地時間)、ベゾス氏はニューヨーク・タイムズ(NYT)がニューヨークで開催したイベント「ディールブック・サミット」に登壇し、トランプ次期大統領の規制緩和計画に期待感を示し、自身も協力できることがあれば支援したいと語った。
ベゾス氏は、トランプ次期大統領が規制緩和に関して非常に意欲的だと述べ、期待を寄せた。また、トランプ次期大統領が第1次政権時と比べ、より冷静で自信に満ち、安定している印象を受けるとし、「この8年間で成長した印象だ」と述べた。
ベゾス氏は、11月の米大統領選を前に、ワシントン・ポストの特定候補支持記事を撤回させた。当時、ワシントン・ポストの編集委員たちはカマラ・ハリス候補を支持する記事を準備していた。この撤回について、ベゾス氏は批判を受けることを予想しつつも、正しい決断だったと強調した。
トランプ次期大統領とベゾス氏は長らく険悪な関係を続けてきた。第1期トランプ政権中に有力紙ワシントン・ポストを買収したベゾス氏は、トランプ次期大統領が民主主義を脅かしていると非難。一方、トランプ次期大統領はベゾス氏が新聞社を利用して脱税を図らっていると反論した。さらにトランプ次期大統領は、アマゾンが米郵政公社を利用して注文商品を配送し、郵便局の財政難を悪化させていると批判した。
また、2019年にアマゾンが米国防総省のクラウド・コンピューティング・プロジェクト「JEDI」の入札に落選した件も、両者の対立が背景にあると解釈された。しかし、ベゾス氏は今年7月にトランプ次期大統領に対する暗殺未遂事件が起きた際、ソーシャルメディア「X」でトランプ次期大統領の勇気ある行動を称賛した。11月の大統領選勝利後には祝意を表するなど、関係改善に向けた動きを示してきた。
現在ベゾス氏が注力している宇宙探査企業ブルーオリジンは、今後、米連邦政府の事業入札のため、トランプ次期政権と頻繁に接触することが予想されている。しかし、ブルーオリジンは、トランプ当選のために7,500万ドル(約113億円)を政治支援団体スーパーPACを通じて寄付したイーロン・マスク氏のスペースXと、競争する見込みだ。
この日のイベントでベゾス氏は、トランプ第2期政権の発足準備に参加しているマスク氏のリーダーシップを称賛した。また、マスク氏がビベク・ラマスワミ氏と共に率いる「政府効率化省」についても期待感を示した。