ドナルド・トランプ次期米大統領は、ジェローム・パウエルFRB議長の解任を検討していないと明言した。
トランプ次期大統領は8日、NBCニュースの対談番組「ミート・ザ・プレス」に出演し、パウエル議長の解任について問われ、「そんなことは考えていない。そうなるようには見えない」と答えた。
両者は、2017年からのトランプ政権第1期中、金利政策を巡り度々意見が対立していた。
トランプ次期大統領は「たとえ私が辞任を求めたとしても、パウエル氏はそれに応じないだろ」と述べた。
これに対し、パウエル議長は先月、トランプ次期大統領から辞任を要求された場合も任期を全うする意向を示しており、議長の途中解任は憲法で明確に禁じられていると強調していた。
パウエル議長は2017年、トランプ政権でジャネット・イエレン氏の後任としてFRB議長に就任し、バイデン政権下で任期が2026年まで延長されている。
第1期トランプ政権中にFRBが利上げを実施した際、トランプ次期大統領が密かにパウエル議長の解任を検討していたとされる報道もある。
選挙期間中、トランプ次期大統領は低金利政策を推進し、住宅ローン金利を抑えるといったアメリカ国民向けの経済政策を公約しており、パウエル議長との間で政策対立が再燃する可能性が高い。また、輸入品への関税が、FRBのインフレ対策に支障をきたす恐れが指摘されている。
一方、FRBは17日に終了する今年最後の金融政策会合である連邦公開市場委員会(FOMC)で、追加利下げを決定する見込みだ。
市場関係者は、FRBが9月と11月に続いて利下げを行い、政策金利が4.5~4.75%から4.25~4.5%へ低下すると予測されている。