韓国の政治的混乱は、ドナルド・トランプ米次期大統領の復帰に続き、ウクライナにとってさらなる悪材料となる見通しだ。
7日(現地時間)、ユン・ソンニョル大統領の弾劾案が否決されたことで、当面の間、国会では関連議案以外の議論が事実上不可能になると予想されている。ウクライナから武器支援を要請された韓国政府は、「交戦国への武器輸出禁止」を定める防衛事業法や施行令、対外貿易法などを理由に拒否した。政策転換し武器支援を行うには国会の協力が不可欠だ。
北朝鮮軍の活動増加や欧州連合(EU)の支援を背景に、ウクライナは韓国製武器の獲得への期待を捨てていなかった。EUは先月28日、「ロシアの侵略戦争と北朝鮮・ロシア間の軍事協力拡大に対抗するためのウクライナ支援強化」決議で、「ルールに基づく国際秩序における韓国の建設的役割を再確認し、ウクライナへの揺るぎない支援を含めた取り組みを促す」と呼びかけた。
これに先立ち韓国は、ウクライナへの武器無償供与および販売を拒否していた。先月27日、ウクライナのルステム・ウメロウ国防相が特使として訪韓し、ユン大統領、シン・ウォンシク国家安保室長、キム・ヨンヒョン国防部長官と会談したが、支援の許可は下りなかった。
香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は「ウクライナ特使は武器提供に関する韓国の約束を取り付けられず、限定的な成果に終わった」と報じ、「韓国はトランプ次期政権を巡る地政学的不確実性の中で慎重な姿勢を示している」と分析した。両国は戦争に関連する兵力移動や技術交流を含め、ロシアと北朝鮮の軍事関係を監視する協力強化で合意するにとどまったという。
ウクライナが韓国の天弓(KM-SAM)地対空ミサイルと155mm砲弾の購入意向を示したのは今回が初めてではない。しかし韓国側は、交戦地域への武器輸出を禁じる法律を理由に、従来通り不可能との立場を繰り返したとされる。