最近、アルトコイン市場(ビットコイン以外の暗号資産)が活況を呈し、投資家の関心を集めている。一方で、市場調整の可能性を示唆する声も浮上している。
専門家は、アルトコイン市場が短期的な高値に達している可能性があり、勢いが失われると大幅な下落が続くリスクがあると分析している。
8日(現地時間)、暗号資産専門メディアの「コインテレグラフ」は、ハートマン・キャピタルのマネージング・パートナーであるフェリックス・ハートマン氏の分析を引用し、アルトコイン市場に関する危険信号に注目した。
ハートマン氏は「現在のアルトコイン市場は、現物取引量の減少が進んでいる一方で、無期限先物取引者によって市場が主導されている」と指摘し、「ベンチャーキャピタル(VC)がさらに積極的に売りに出る時期に差し掛かっている」と強調した。
同氏は、アルトコインの資金調達率が年率100%を超える状況で市場の勢いが失われると、大幅な下落が予想されると警告した。2021年初頭に暗号資産市場が急騰した際、アルトコインはビットコインの上昇を受けて大幅な値上がりを記録したものの、その後数ヶ月後で投資家による利益確定売りが殺到し、急激な下落を引き起こした経緯がある。
アルトコインは過去1ヶ月間で目覚ましい上昇を記録した。特にヘデラ(Hedera)は99.31%も上昇を達成し、最大の上昇率を記録したほか、アイオタ(IOTA)とジャスミーコイン(JasmyCoin)もそれぞれ79.61%、72.47%上昇を示した。
しかし、過去の事例からアルトコイン市場は急騰後、短期間で調整が発生する傾向がある。2021年には、ソラナ(Solana)とXRPがそれぞれ64%、51%の急激な下落を記録した事例が存在しており、投資家の警戒が必要とされている。
また、ビットコインの市場シェアもアルトコインの強さと連動して低下傾向にある。現在のビットコイン市場シェアは55.11%であり、過去30日間で7.88%減少した。この動向は、投資家の関心が主要暗号資産からアルトコインへシフトしていることを示唆している。
一方で、一部の市場参加者はアルトコインシーズンが依然として始まったばかりであり、長期的な上昇が続くと予想している。
匿名のトレーダーであるミルキーブル・クリプト氏は、「今月から来年3月までがアルトコインシーズンの適切な期間」と述べ、楽観的な見方を示した。一方、アナリストのセンセイ氏は「現在のアルトコイン市場は上昇の初期段階にある」と主張している。
アルトコイン市場の活況は投資家に新たな機会をもたらすとともに、大きなリスクをも伴っている。市場の上昇を持続させるためには、安定した現物取引量と新規資金の流入が不可欠だ。しかし、現状では先物取引が市場を主導しており、ベンチャーキャピタル(VC)による売却の増加も懸念材料となり、調整リスクが高まっている。
専門家らは、ハートマン氏が指摘したように、アルトコイン市場の高い資金調達率が続く限り、投資家は長期的な上昇よりも短期的な調整リスクに注意を払うべきだと助言している。