米国最大の健康保険会社ユナイテッドヘルスケアの保険部門CEO、ブライアン・トンプソン氏を銃撃し殺害した犯人に対し、米国内では同情的な世論が広がっている。
8日(現地時間)、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道によると、トンプソン氏殺害犯に対する世間の同情が高まる中、捜査当局は予想外の困難に直面している。オンライン掲示板やSNS、マンハッタンの街頭などでは、容疑者を「憎むべき米国の営利医療システムに打撃を与えた準民族的英雄」として称える声が上がっているという。世論は犯人の逮捕を望まず、その行動を支持し、容姿の良さを評価している。さらに、警察の捜査を妨害するような内容も拡散されているとWSJは伝えた。例えば、Xでは、一部の人々が警察に虚偽情報を提供したり、犯人に扮して警察を混乱させようとする提案をした。実際、7日にニューヨークのワシントン・スクエア・パークでは、ある団体が犯人そっくりコンテストを開催した。
WSJによると、ユナイテッドヘルスケアCEOの狙撃犯を支持する風潮は、SNSを通じてさらに拡大している。犯人を擁護するオンライン上のコメントの多くは、社会的不満や企業への敵意を表現しているという。また、近年非公式に組織を作り犯罪解決に取り組んできた一部のネット探偵たちも、今回の事件については沈黙を守っているという。
なお、米国で犯罪者への同情が集まるのは今回が初めてではない。1996年のアトランタ五輪爆破テロを起こしたエリック・ルドルフは、スモーキー山脈に隠れて7年間FBIの追跡を逃れたが、当時ルドルフの支持者たちは「走れ、ルドルフ、走れ」と書かれたTシャツを着用していた。