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Google、量子コンピュータの実用化に向けて大きく前進!技術的障壁を克服し2029年までに実現の可能性

川田翔平 アクセス  

引用:ロイター通信
引用:ロイター通信

アルファベット傘下のGoogleは9日(現地時間)、量子コンピュータの実現における最大の技術的障壁の1つを克服した。2029年末までに量子コンピュータを実用化できる可能性が高まった。

フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、Googleはこの日、量子システムの本質的な不安定性を克服する大きな進展を遂げたと主張した。量子コンピュータは、量子力学の「量子重ね合わせ」を利用したコンピュータで、暗号解読などの特定分野の計算において、従来のコンピュータでは事実上不可能な計算を瞬時に行うことが可能となる。量子コンピュータが実現すれば、現行の暗号システムは無力化され、世界中の安全保障や金融システムが一瞬で崩壊する可能性があると警告されている。量子コンピュータを開発した国が世界を支配する可能性があるとも言われている。

■2029年、量子コンピュータ開発の可能性

Googleは今年8月、量子コンピュータの実現に向けた新技術の発見に関する非公式の論文を発表し注目を集めた。この日、他の科学者による検証を経た最終論文を科学誌「ネイチャー」に掲載した。論文では従来よりも強力になった量子半導体の詳細が公開された。この半導体により、現実世界で実用的な量子コンピュータの実現が可能になるとGoogleは確信している。

Googleの今回の技術的な進展は、すでに1990年代から実現可能と予想されていた。

マサチューセッツ工科大学(MIT)の物理学教授ウィリアム・オリバー氏は「これは90年代に理論的に提唱されていた」としながらも、Googleがこの量子コンピュータの試験運用に踏み切るまで「長い時間がかかった」と指摘した。

量子コンピュータは、従来のコンピュータのように0と1の2択で計算するのではなく、1と0の両方が確率的に同時に存在する量子力学を利用したコンピュータだ。

段階的な計算プロセスを経て結果を出す従来のコンピュータとは異なり、量子コンピュータは経験豊富な人が直感的に答えを導き出すように、量子の重ね合わせを利用して瞬時に結果を導き出す。過程は分からなくても答えは分かるようなものだ。新薬開発などでも量子コンピュータが重要な役割を果たすことが期待されている。

■技術的障壁の克服

これまで量子コンピュータの実現を妨げていたのは、量子ビット(キュービット)の安定性が問題だった。キュービットは従来のコンピュータのビットとは異なり、瞬時に現れては消えるため、計算に使用することが困難だった。キュービットに保持される情報が1秒未満の短い瞬間で消失するためだ。瞬時に消えるキュービットの特性により、キュービットの数が増えるほど量子コンピュータの計算能力が向上するが、同時に「ノイズ」も増加し、エラーが累積することが大きな問題だった。

科学者たちは、これを解決する「エラー訂正」技術の実現を待ち望んでいたが、Googleがこれを実現した。Googleは同じ情報を複数のキュービットにエンコードすることで、量子コンピュータの計算が十分な情報を確保した状態で行えるようにした。

Googleは、キュービットの集積度を高めたことで、キュービットの持続時間が約100マイクロ秒(1万分の1秒)近くまで延長されたと発表した。これは依然として瞬時ではあるが、従来のハードウェアで実現可能だった時間の5倍に相当する。

Googleは今回の技術的な突破口により、量子コンピュータの実現自体が可能になっただけでなく、コストも削減できると期待している。Googleは2029年までに量子コンピュータの構成部品のコストを現在の10分の1に削減することを目標としている。Googleの量子コンピュータ責任者ハートムート・ネーヴェンは、完全な量子コンピュータシステムの構築コストが約10億ドル(約1,521億円)レベルにまで下がると予測している。

川田翔平
CP-2023-0328@fastviewkorea.com

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