ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、西側諸国に対し、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を改めて要請した。
ロイター通信によると、ウクライナのゼレンスキー大統領は9日(現地時間)、ウクライナを訪問したドイツのキリスト教民主同盟(CDU)党首フリードリヒ・メルツ氏との共同記者会見で、「ウクライナがいつEUに加盟し、いつNATOに加盟するのか、明確な見通しが必要だ」と強調した。また、「ウクライナがNATOに加盟していない状態で戦争が終結するか、NATO加盟の招待を受けたとしてもまだ加盟していない状況で戦争が終わった場合、誰が我々の安全を保障するのか」と問いかけた。
ゼレンスキー大統領が再びNATO加盟の要請を強調した背景には、ドナルド・トランプ米次期大統領の早期終戦公約を意識した動きがあると見られている。トランプ氏は選挙期間中、「24時間以内の終戦」を公言しており、来月の就任後、ウクライナへの支援が縮小または停止される可能性が高いと予想されている。
また、ゼレンスキー大統領は、ウクライナのNATO加盟が実現するまでの間、西側諸国軍のウクライナ派兵案にも言及した。彼は、「エマニュエル・マクロン仏大統領の提案を検討し、実行に移せる」と述べ、マクロン大統領がウクライナがNATOに加盟していない間に他国の部隊をウクライナ領内に駐留させて安全を保障する案を提示したことを紹介した。
マクロン大統領は今年2月、欧州諸国の軍派兵の可能性について「何も排除すべきではない」と発言しており、5月にはウクライナからの要請があればフランス軍派兵の可能性も示唆していた。