ドナルド・トランプ米次期大統領は、カナダのジャスティン・トルドー首相が自身の関税政策を批判したことに対し、「州知事」と揶揄した。
トランプ次期大統領は10日(現地時間)、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「先日、カナダ州のジャスティン・トルドー州知事と夕食を共にし、喜ばしかった」と投稿した。その後、「近々再会し、関税と貿易についてさらに議論を深めたい」と述べ、「その結果は皆にとって素晴らしいものになるだろう」と付け加えた。カナダを「米国の州」、トルドー首相を「州知事」と揶揄するこの発言は注目を集めている。
トランプ次期大統領の発言は、前日にトルドー首相が行った批判に対する応答とみられる。AP通信によれば、トルドー首相は9日、カナダ・ハリファックス商工会議所主催の行事で、「トランプ氏は米国民の生活向上を公約に当選したが、米国民はカナダ産品に課された関税が物価を押し上げている現実に気付き始めている」と述べ、さらに「不公平な関税には断固として対抗する」とも発言した。これに対し、米NBCは「トランプ次期大統領はトルドー首相を嘲笑した」と報じ、スティーブン・チョン報道官はトランプ次期大統領の発言について「非常に良い」と述べるにとどまったことを伝えている。
一方、先月25日、トランプ次期大統領は、メキシコとカナダ国境を通じて犯罪や麻薬が米国に流入していると指摘し、この問題が解決されるまで両国からの全輸入品に25%の関税を課すと表明した。これを受けて、トルドー首相は先月29日、トランプ次期大統領の私邸マー・ア・ラゴで3時間にわたる夕食を共にし、関税問題について協議を行った。
米フォックス・ニュースによると、トルドー首相は「米国の関税はカナダ経済を崩壊させる」と訴え、これに対しトランプ次期大統領が冗談交じりに「カナダが米国の51番目の州になるのはどうか」と返答した。