来年1月に予定されている中国発の動画共有アプリ「TikTok」の米国内サービス禁止を前に、米下院がアップルとグーグルにTikTokアプリのサービス停止を要請した。
米CNBCなどの報道によると14日(現地時間)、米下院の米中戦略競争特別委員会は書簡を通じ、アップルとグーグルのCEOに「アプリストアで米国内におけるTikTokのサポートを停止すべきだ」と伝えた。TikTokの禁止・売却を強制する「TikTok禁止法」に基づき、TikTokの親会社バイトダンスが1月19日までに米国内事業権を売却しない場合、TikTokアプリの更新やダウンロードのサポートを禁止するよう要請している。
米司法省は、「TikTokが中国との関連性から国家安全保障に対する継続的な脅威をもたらし、スパイ活動や宣伝目的に悪用される恐れがある」と主張した。米下院は昨年4月、1月19日までにTikTokの米国内事業権の売却を強制する法案を可決した。これにより、バイトダンスが事業権を売却しない場合には、同日からTikTokの米国内サービスが全面禁止される。米中戦略競争特別委員会は、TikTokに法案を遵守するための十分な時間を与えたとの立場だ。
一方でTikTok側は、「この法案は1億7,000万人に上るユーザーの米憲法修正第1条の権利を侵害しており、違憲である」と主張している。TikTokはこの内容で訴訟を起こしたが、連邦控訴裁判所に却下された。その後、TikTokは連邦最高裁判所の判断が出るまで法律の効力停止を求める仮処分を連邦控訴裁判所に申請したが、これも認められなかった。
TikTokは、ドナルド・トランプ次期大統領の就任後に法案が廃止されることを期待している。共和党の大口献金者である億万長者ジェフ・ヤス氏は、TikTokの親会社バイトダンスの株式約15%を保有しており、トランプ氏が創設したSNS「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」の株式も相当数保有していることで知られる。トランプ次期大統領は大統領選挙期間中、ジェフ氏と会談した後、TikTokに対して友好的な立場を取るようになったという。