10万ドル(約1,570万円)を突破し急上昇していた仮想通貨の代表格ビットコインが、先週大幅に下落し、9万2,000ドル(約1,450万円)台まで落ち込んだ。業界からは今後数週間、さらなる弱気相場が続く可能性があるとの見方。
23日(米東部時間)、米国の仮想通貨取引所であるコインベースによると、同日午後3時8分時点でビットコイン1個の価格は24時間前より3.12%下落し、9万2,523.66ドル(約1,460万円)で取引された。これは1週間前の16日午後3時時点の10万6,637ドル(約1,680万円)と比べて約13%下落した価格だ。
仮想通貨専門メディアのコインデスクは、ビットコインの過去1週間の下落幅が昨年8月以来約4ヶ月ぶりの最大下落幅を記録したと伝えた。トランプ次期大統領の当選後、仮想通貨規制緩和への期待から強い上昇を見せたビットコインは、17日に史上最高値の10万8,300ドル(約1,700万円)台を記録。しかし翌18日、米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)の会議とジェローム・パウエルFRB議長のいわゆる「タカ派的」発言が影響を及ぼした。
FRBは来年の政策金利引き下げ予想回数を従来の見通しより減らし、利下げペースを調整する方針を示唆。パウエル議長は「トランプ2期」政権で推進すると予想されるビットコインの戦略的資産保有について、「我々(FRB)はビットコインを所有できない」と一蹴した。
19日に10万ドル(約1,570万円)の水準を下回ったビットコインは、20日には9万2,000ドル(約1,450万円)台前半まで下落。22日に9万9,000ドル(約1,560万円)台まで反発したものの、その後2日間で再び下落し9万2,000ドル(約1,450万円)台まで後退した。仮想通貨投資業界によるとビットコインの下落傾向が当面続くという。
一方、この日の市場では、仮想通貨デリバティブ取引所ハイパーリキッド(Hyperliquid)で北朝鮮のハッカーが取引しているとの疑惑が浮上。セキュリティを懸念した投資家の離脱により大規模な資金流出が起きたとの情報も伝われている。