中国政府が早ければ2025年上半期に、日本産水産物の輸入再開を検討し始めたと伝えた。
日本経済新聞は23日、複数の中国政府関係者の話として、李強(リー・チャン)首相が5〜6月頃に日本で開催予定の日中韓首脳会談に合わせて訪日を計画していると報じた。日本政府もリー首相の招待を調整中で、この機会に輸入再開方針が伝えられる可能性が高いとみられている。
中国は昨年8月、日本が福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出を開始した直後、日本産水産物の輸入を全面的に禁止した。この措置は、国際原子力機関(IAEA)が「国際的な安全基準に適合している」と説明した後も継続された。
これに対し、日本政府とIAEAは昨年9月、処理水の監視体制を拡大し、中国も試料採取と検査を行えるようにした。これを機に両国政府は、中国が安全検査を実施することを条件に、水産物の段階的な輸入再開で合意した。
中国政府は昨年10月中旬に処理水の試料を採取し、自国の専門機関で分析を開始した。1か月後には岸田文雄前首相と習近平国家主席がペルーのリマで会談し、合意の「着実な履行」を確認した。
両国政府は今月18日、北京で処理水放出に関する第3回専門家対話を開催し、日中関係筋は「中国側の呼びかけで実現した」とし、「輸入再開への道筋を探っている」と指摘した。
日経は、中国が「追加関税強化を掲げるトランプ次期米政権が来年1月に発足することを見据え、日本との関係改善を急いでいる」と分析した。
さらに、トランプ次期大統領が「アメリカ・ファースト」を掲げ、同盟国により大きな負担を求めている点も、日本との関係改善を急ぐ要因になっていると指摘した。