昨年10月にガザ戦争が勃発して以来、2度目の冬を迎えたガザ地区で、生後間もない新生児が凍死するという痛ましい出来事が報じられた。
25日(現地時間)「AP通信」など海外メディアの報道によると、ガザ地区南部のマワシ地区にあるテント村で生まれたセラ・マラフード・ファシフちゃんが、極寒のため凍死したと明らかになった。
セラちゃんの父、マラフードさんは前夜の気温は9度まで下がり、厳しい冷気が身にこたえる夜だったと語った。
彼はセラちゃんを毛布で包み温めようとしたが、生後間もない女児にとっては、毛布だけで耐えられる寒さではなかった。
家族が身を寄せるテントは風をさえぎることもできず、大人でさえ寒さに耐えるのが困難な状況に、セラちゃんは夜中に3度もつらい寒さに夜泣きをしたという。
翌朝、家族たちは体が硬直したセラちゃんを発見した。
セラちゃんの唇は紫色に変色し、蒼白い肌には死斑があらわれていた。
マラフードさんは「セラの体はまるで木のようにかたくなっていた」と語った。
家族は急いで病院に搬送したが、すでに手遅れだったという。
ハンユニスのナセル病院で小児科の責任者を務めるアハメド・ファラ医師は、セラちゃんの死因が重度の低体温症であることを確認した。
医師によると、前日24日にも、生後3日と生後1ヶ月未満の新生児2人が重度の低体温症により死亡したという。
パレスチナ保健省によると、昨年10月7日にパレスチナのイスラム組織「ハマス」の奇襲攻撃でガザ戦争が始まって以来、4万5,000人を超えるパレスチナ人が死亡し、そのうち、子どもは1万7,600人以上が犠牲になった。
国連パレスチナ難民救済事業機関のフィリップ・ラザリーニ事務局長は、国連の資料を引用し、ガザ地区では1時間に1人の子どもが命を落としていると述べた。
ガザ地区の医療従事者らは、イスラエルの攻撃により現地の医療システムが機能不全に陥り、子どもたちが適切な治療を受けられない状況にあると指摘している。
ファラ医師は、現在、稼働中のガザ地区内の新生児病棟は平常時の20%に過ぎず、人工呼吸器を含む医療機器も不足していると述べた。
国連児童基金・ユニセフの広報担当は「戦争による子どもたちの犠牲は、私たちに連帯責任を改めて痛感させる」とし、「今の世代の子どもたちは基本的な人権を無惨に侵害され、未来を奪われるという苦痛を経験している」と指摘した。