ブラックストーン、KKR、アポロなど米国の主要プライベートエクイティ(PE)ファンドの経営トップたちが、今年560億ドル(約8兆7,869億円)以上の利益を上げたことが判明した。
これらのPEファンドが保有する資産価値が急上昇し、米国の主要株価指数への編入など複数の好材料が重なった結果である。
フィナンシャル・タイムズ(FT)は28日(現地時間)、世界最大のヘッジファンドであり、PEファンドでもあるブラックストーンをはじめとする大手PEファンドの経営トップたちの保有資産が急増したと報じた。
ブラックストーンCEOのスティーブン・シュワルツマン、KKR共同創業者のヘンリー・クラビスとジョージ・ロバーツなど、PEファンドを率いる経営トップたちの資産が大幅に増加したという。
これらの経営者は、ドナルド・トランプ次期米大統領が来年1月20日に第47代米大統領に就任した後、さらに資産を増やすと予想されている。
トランプ次期大統領による大規模な規制緩和により、PEファンドの企業買収(M&A)が加速し、法人税も引き下げられる見通しだからだ。
PEファンドの中でも、ブラックストーンの経営陣が今年最も顕著な資産増加を記録した。
ブラックストーンのトップらが保有する自社株の評価額は、今年135億ドル(約2兆1,182億円)増加した。これはブラックストーンの時価総額が今年50%近く急増し、2,140億ドル(約33兆5,787億円)に達したためだ。
ブラックストーンの株価は、今年33%上昇した。
保有資産の価値と投資家からの投資額が急増し、保有資産が1兆ドル(約156兆9,099億円)を超えたことが株価上昇を支えた。
ブラックストーンは昨年、PEファンドとして初めてニューヨーク証券取引所の代表的な指数であるS&P500指数に組み込まれた。
アナリストらは、来年もブラックストーンの成長が続くと楽観視している。
ブラックストーンは富裕層を引き付け、不動産、クレジット、PEファンド投資を通じて、莫大な手数料収入を得ると予想されている。
その結果、ブラックストーンのシュワルツマンCEOの自社株評価額は、今年110億ドル(約1兆7,260億円)以上増加した。
また、社長のジョナサン・グレイが保有するブラックストーン株の価値も数10億ドル(約1,569億円)増加し、75億ドル(約1兆1,768億円)に達すると推定されている。
KKRのトップらも巨額の利益を得た。KKRが今年1,200億ドル(約18兆8,291億円)近くの新規資金を調達した結果、株価が倍近く急騰したためだ。
さらにKKRは今年6月、S&P500指数に組み込まれたことで株価上昇に拍車がかかった。
共同創業者のクラビスとロバーツが保有するKKR株の価値は、それぞれ120億ドル(約1兆8,829億円)を超えた。
共同CEOのスコット・ニュートール氏とジョー・ベイ氏が保有する株式価値も約27億ドル(約4,236億円)に増加した。
KKRの株価は今年81%急騰した。
今月S&P500指数に組み込まれたアポロ・グローバルの株価も倍近く急騰した。
アポロ共同創業者で、アポロの保険部門であるアテネCEOのジェームズ・ベラディが保有する株式価値は、10億ドル(約1,569億円)を超える水準に達し、アポロの共同社長スコット・クラインマンとジェームズ・ゼルターの保有株価値もそれぞれ5億ドル(約784億円)を超えた。
アレス、TPG、ブルー・アウルなど他のPEファンドも、トップたちが保有する株式価値が今年40億ドル(約6,276億円)以上増加したと推定されている。