テスラCEOのイーロン・マスク氏が暗号資産ドージコイン（DOGE）の活用可能性を示唆する投稿を行い注目を集めている。
マスク氏は28日（現地時間）、米テキサス科学技術大学に関するX（旧Twitter）の投稿に「今がその時かもしれない（Maybe it’s time）」という短いコメントを残した。
一部では、この投稿がマスク氏が前から提案してきたドージコインの実用化と関連があるとの見方が広がり、市場の注目を集めている。
マスク氏は2021年11月、Xで「新しい大学の設立を検討している。テキサス科学技術大学（Texas Institute of Technology & Science）だ。学費はドージコインで支払うことができ割引も受けられる」と明かしていた。
マスク氏はドージコインの普及だけでなく、米国の教育システムにも継続的な変革を試みてきた。過去にはスペースXの従業員の子どもを対象とした「アド・アストラ（Ad Astra）」という学校を設立し、創造的思考と批判的思考の育成に重点を置いた。この学校では従来の学年制を廃止し、生徒の能力や興味に合わせてグループを作る方法を採用していた。しかし、この学校は2020年に閉校した。
アド・アストラの閉校後、マスク氏は同年に「アストラ・ノヴァ（Astra Nova）」という新たな教育機関を設立し、教育革新への意欲を示した。アストラ・ノヴァは、どのような生徒にも対応できる環境を整え、未来社会と技術に対応したカスタマイズ教育の提供に力を注いだ。
この学校は、従来の詰め込み教育から脱却し、プロジェクトベースの学習と問題解決型のカリキュラムを採用した。ただし、年間学費3万2,500ドル（約509万円）という高額さには一部で批判の声も上がった。
マスク氏の今回のドージコインに関する発言は、単なる冗談以上の意味を持つとの分析が出ている。ミームコインであるドージコインが教育革新と結びつけば、仮想通貨が単なる投機対象を超え、実用的な決済手段として確立される画期的な機会となる可能性があると専門家は分析している。
スイスのルツェルン応用科学芸術大学（University of Applied Sciences and Arts）は2017年から学費をビットコインで納付できるようにしている。これは暗号資産決済を教育分野に導入した代表的な事例として知られている。