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2025年01月03日金曜日
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エヌビディアの次の一手はヒューマノイドだけじゃない…半導体王者が仕掛ける「ポストAI時代」への布石に業界騒然

引用:イーロン・マスクの X(旧ツイッター)
引用:イーロン・マスクの X(旧ツイッター)

英紙「ファイナンシャル・タイムズ」は29日(現地時間)、「エヌビディア(NVIDIA)が来年上半期中にヒューマノイドロボット用小型コンピュータの最新版『Jetson Thor』を発売する予定」と報じた。

「Jetson Thor」は、ロボットやドローンの自動運転分野でAI処理を行う小型コンピュータだ。エヌビディアは2014年、初めて「Jetson」のコンピューターを発表している。AIロボットに使用される半導体からロボット訓練用のソフトウェアまで、包括的なソリューションを先行して構築する狙いがあるとみられる。

エヌビディアロボット部門のディープ・タッラ副社長は、「(ChatGPT登場後のAI産業の急成長と同様に)フィジカルAIとロボット分野でもChatGPTのような転換点が目前に迫っている」と述べ、市場が転換期に達したとの見方を示した。

引用:聯合ニュース
引用:聯合ニュース

AIモデルの爆発的増加や仮想環境でのロボット訓練能力の向上などが、市場の変化を牽引しているという。エヌビディアがロボット産業に注力する背景には、AIチップ製造業界の競争激化も影響しているとの見方がある。AMD・ブロードコム(Broadcom)などがエヌビディアの競合として台頭し、主要顧客のアマゾン(Amazon)などのクラウドサービス事業者もエヌビディアへの依存度低減を図っている。

こうした状況を受け、エヌビディアはフィジカルAI分野への投資を開始しており、今年2月にはヒューマノイドロボット企業「フィギュアAI」への出資を行っている。エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは先月、「AI革新はデジタルからフィジカルへと拡大する」と述べ、ロボット産業の成長性を高く評価した。

すでに主要企業各社がロボット産業に相次いで参入している。イーロン・マスク率いるテスラ(TESLA)は2026年、ヒューマノイドロボット「オプティマス」の発売を目指しており、ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)は、AIを活用したヒューマノイドロボット開発を加速させるため、トヨタと提携している。アマゾン創業者のジェフ・ベゾスとChatGPT開発元のOpenAIが、ロボットスタートアップ「フィジカル・インテリジェンス」に共同出資したことが先月明らかになった。

台湾積体電路製造(TSMC)のシーシー・ウェイ会長は「数日前、世界で最も裕福な人物と話をしたが、今後注力すべき分野は自動車ではなく、多機能ロボットだと語っていた」と述べた。ウェイ会長は「最も裕福な人物」が誰を指すのか明かさなかったが、台湾メディアはイーロン・マスクを指すと報じている。

米市場調査会社BCCは、現在780億ドル(約12兆1,800億円)規模の世界ロボット産業が、2029年末には1,650億ドル(約25兆7,700億円)規模に成長すると予測している。

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