トランプ氏のアメリカ大統領就任がおよそ3週間後に迫る中、バイデン政権はウクライナに対し、総額59億ドル(約9,200億円)規模の追加支援策を発表した。
内訳は約25億ドル(約3,900億円)の軍事支援と34億ドル(約5,300億円)の財政支援だ。
30日(現地時間)「ロイター通信」によると、バイデン政権は軍事支援の内、半分は米軍の在庫から素早く装備を供与する枠組みを使い、高機動ロケット砲システム「ハイマース」用の弾薬や対戦車ミサイル「ジャベリン」などを支援し、残り半分は防衛産業から装備を購入して送る「ウクライナ安全保障支援イニシアチブ(USAI)」の枠組みを使い、防空システムや無人機システムなどを支援することを発表した。
バイデン大統領は「4月に議会が承認した追加予算案から割り当てられたUSAI資金をすべて配分した」とし、「我が政権は議会が承認した資金を最大限活用し、ウクライナにアメリカの装備を提供する」と明らかにした。
さらに「可能な限り早くウクライナへの軍備供与を増強するよう指示した」とし、「本格的な冬を迎える前にウクライナ軍の体制を整えるため、数十万発の砲弾、数千発のロケット弾、数百台の装甲車を送る手続きを進めている」と説明した。
また、自身の残りの在任期間中、アメリカはウクライナ支援のため、最大限努力することを強調した。
バイデン大統領が発表した軍事支援とは別に、同日、イエレン財務長官は「2024年ウクライナ安全保障追加歳出法」に基づき、国際開発庁と国務省が連携して34億ドルの追加財政支援を行うと声明を発表した。
イエレン長官は「ウクライナの成功はアメリカにとっても重要な国益だ」とし、「この取り組みから後退してはならない」と強調した。
さらに、ロシアへの圧力や制裁を行いながら、ウクライナへの支援も同時に継続すべきだと共和党やトランプ陣営が主張するウクライナ支援削減の方針にくぎを刺した。
そして、アメリカの財政支援はウクライナの公的サービスを維持するための用途、法執行、政府機関の透明性と効率性の改善、反腐敗の取り組み強化などに使用されることを条件に提供されていると説明した。
一方、アメリカ政府はウクライナ侵攻開始以降、これまでウクライナに約614億ドル(約9兆6,000億円)の軍事支援、そして、300億ドル(約4兆6,800億円)を超える財政支援を行ってきた。
財政支援の大半はウクライナ政府により教師や公務員への給与支払いなどに使用されている。