シリア中央銀行の70年の歴史で初めて女性総裁が任命された。
ロイター通信によると、シリアの高官はマイサ・サブリン前中央銀行副総裁が総裁に任命されたことを明らかにした。
サブリン総裁はシリアの銀行部門を監督してきた。同総裁はコメントの要請に即座には応じなかった。
サブリン総裁は、2021年にバッシャール・アル・アサド前大統領が任命したモハメド・イッサム・ハジメ氏の後任となる。ハジメ氏は8日にアサド前大統領が反政府勢力により追放された後も職務を継続していた。
反政府勢力がシリアを掌握した後、中央銀行は輸出入の事前承認制度や厳格な外国為替使用規則を廃止するなど、国家が強く管理していた経済体制の自由化を進めた。ただし、シリアと中央銀行は依然として米国の制裁対象となっている。
一方、シリアではアサド政権崩壊後、シリア通貨の盗難事件が発生した。しかし、主要な金庫は無事に保たれている。複数の情報筋によると、この金庫には2011年に内戦が勃発した時と同量の約26トンの金が保管されているという。ただし、外貨準備高は戦前の約180億ドル(約2兆8,311億円)から現在は2億ドル(約314億円)に減少した。
こうした状況下で、シリア中央銀行は自国資産の現状把握に注力している。