北朝鮮が「朝中(北中)友好の年」を宣言した2024年が過ぎ去った。成果はおろか、むしろ北中関係の異変を示す兆候が濃厚になった。専門家らは、中国が正常国家を標榜する以上、国際社会から非難を浴びている北朝鮮とロシアとの距離を置いているとの見方を示している。
北朝鮮は昨年、朝中友好の年を宣言し開幕式まで行ったが、2025年に入った1日になっても閉幕式どころか関連の言及すらない。
これまで目立った高官の交流もなく、むしろ中国が自国内の北朝鮮労働者の帰国を促す動きが明らかになり、北中関係の悪化は既成事実となった。一方、北朝鮮はロシアと軍事同盟に準ずる条約を結び、ウクライナ戦争への派兵にまで至った。
北朝鮮も北中関係悪化の兆候を隠そうとしていない。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の年賀状は、北朝鮮の労働党機関紙「労働新聞」の先月27日付1面に全文が掲載された一方、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席の年賀状は、他国指導者らの書簡とまとめて簡略に紹介されただけだった。
さらに、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長がプーチン大統領に送った返信を前日に公開したのとは対照的に、習主席への返信を送ったかどうかさえまだ明らかにしていない。朝中友好の年が、年賀状すらまともにやり取りできない状況で幕を閉じたことになる。
韓国の統一部当局者は「北中が朝中友好の年として制定し開幕式を行ったが、その後高官の相互訪問がほとんどなく、閉幕式もなかった」とし、「北朝鮮の戦勝節記念の行事への駐北朝鮮中国大使の不参加、2018年の北中首脳会談を機に大連市(ターリエン市)に設置された両国首脳の足跡を刻んだ銘板の撤去などを見ると、北中関係が北露関係と比較される側面がある」と指摘した。
北中関係の悪化は、北朝鮮がロシアとの軍事協力に傾注したことも一因だが、中国の意図的な距離置きが大きく影響しているというのが専門家らの分析だ。
韓国外国語大学国際地域大学院のカン·ジュンヨン教授は「北朝鮮とロシアが場合によっては国際戦争に発展しかねない戦争を繰り広げている中、中国としては米国に牽制の口実を与えたくないため距離を置かざるを得ない」とし、「中国は自らを正常国家だと考えているため、『村八分国家』である北朝鮮とロシアに加わる必要はないと考えているのだろう」と述べた。