2025年に暗号資産イーサリアム(ETH)がビットコイン(BTC)の上昇幅を上回り、8,000ドル(約125万円)を突破する可能性があるとの分析が発表された。この楽観的な予測は、機関投資家の参入拡大、規制環境の改善、そしてDeFi市場の復活による好影響を根拠としている。
デンマークのマクロ経済および暗号資産分析専門会社「ステノ・リサーチ」が、この内容を含む報告書を最近公表した。同社は、イーサリアムが現在の3,300ドル(約52万円)から8,000ドル(約125万円)以上に上昇し、過去最高値(ATH)を更新すると予想している。ビットコインも15万ドル(約2,350万円)の新ATHを記録すると見込まれるが、上昇率ではイーサリアムがより強い動きを示す可能性が高いと分析している。
ステノ・リサーチは、ETH/BTCのサポートライン付近で強い反発が起こる可能性があると指摘し、イーサリアムの上昇ポテンシャルを強調した。イーサリアムは今年、エコシステム内のDeFi活動が再び活性化し、総ロックアップ額(TVL)が約3,000億ドル(約47兆円)に達すると予想されている。特に、イーサリアムベースのETF(上場投資信託)の導入は機関投資家の資金流入を促進し、ETH価格上昇の追い風になると見込まれている。
ステノ・リサーチは、現在約58%のビットコインの市場占有率(BTC.D)が今年中に45%まで低下する可能性を指摘した。報告書によると、ドナルド・トランプ次期大統領の再選がビットコインよりもアルトコイン、特にイーサリアムにとってより有利な環境をもたらすと分析されている。暗号資産専門メディア「ニュースBTC」も、ETH/BTC比率が昨年の0.035から2025年には0.06まで上昇すると予想している。
イーサリアムは2021年にもDeFiとNFT(非代替性トークン)市場の急成長により、ビットコインを上回る上昇率を記録した経緯がある。当時、イーサリアムのDeFiエコシステムは総TVLの増加とともにネットワーク活動が爆発的に拡大した。クリプトスレート(CryptoSlate)によると、2021年初頭にイーサリアムのTVLは約1,000億ドル(約15兆6,700万円)を突破し、過去最高を記録した。このことがETH価格上昇の主要因となったと説明している。