英経済紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が、ロシアとウクライナ間の平和協定締結などを含む「今年の世界展望」を発表した。
FTは最近、自社の記者が予測した世界の政治、外交・安全保障、経済分野に関する「2025年展望」を報じた。
これによると、FTはロシアとウクライナ間で今年平和協定が締結される可能性が高いと予測している。
さらに、ウクライナがロシアの現占領地に対する法的統制権を認める一方で、アメリカの支援を受けた欧州の安全保障を要求すると分析した。
また、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟については最終的に保留されるとの見通しを示した。
一方で、ドナルド・トランプ次期米大統領と、彼の「ファーストフレンド」として注目されるテスラCEOのイーロン・マスク氏との友好関係については、FTは異なる見解を示した。
FTは「トランプ次期大統領は競争相手を容認しない性格で知られているが、マスク氏にとっては大統領の好意を得ることが極めて重要であり、その機会を逃すことは考えにくい」と説明している。
また、左派および極右野党から辞任圧力を受け、政治的危機に直面するエマニュエル・マクロン仏大統領が職務を続ける可能性については肯定的な見解を示した。
さらに、FTはビットコインが現在の2倍の20万ドル(約3,152万円)を突破するかについて「肯定的」と評価した。
「トランプ陣営が暗号資産を全面的に支持し、デジタル資産擁護派をワシントンの要職に起用することで、上昇傾向が強まっている」と述べた。
その他、トランプ次期大統領による関税戦争本格化については、「その可能性は否定できないが、確実とも言えない」とし、「トランプ次期大統領の動きは誰も正確に予測できない」と語った。
大型テクノロジー株グループ「マグニフィセント7」(アルファベット、アマゾン、アップル、メタ、マイクロソフト、エヌビディア、テスラ)に関しては、「崩壊することはないが、さらなる上昇も期待できない」との見方を示した。
一方、中国の過剰生産によるデフレ圧力についてはさらに強まると予測されている。
FTは「中国の輸出物価指数は今年の一部の月で10%まで下落する可能性がある」とし、「これにより中国企業と競合する企業に深刻な影響を与える一方、中国にとってはアメリカの関税圧力を緩和する助けとなるだろう」と分析した。
また、「CDの復活」について取り上げ、韓国のK-POPに言及し注目を集めた。
FTはCDの復活の可能性については否定的な見解を示しつつも、「CD販売量は韓国のK-POP人気によって支えられている。これは主にパッケージ(K-POP歌手の限定版写真やファンミーティングの機会を得られるゴールデンチケット)を目当てとした購買によるものだ」と説明した。
なお、FTは昨年提示した20の予測のうち5つが外れたと明らかにし、その中にトランプ次期大統領の再選可能性に関する見通しも含まれていたことを認めた。